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【浜田剛史の目】村田、練習通り相手に合わせてパンチ打てた

[ 2019年7月13日 08:37 ]

WBA世界ミドル級タイトルマッチ   ○同級4位・村田諒太 TKO2回2分34秒 王者ロブ・ブラント● ( 2019年7月12日    エディオンアリーナ大阪 )

浜田代表(右)と会見する村田(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 村田は想定通り、練習通りの闘いをした。前回は相手のパンチをブロックしてから距離を詰めて打とうとしていたが、ブラントが打ってくる距離は村田のパンチも当たる距離。今回は最初から相手に合わせて打つ練習をしてきており、闘い方は1カ月以上前には完成してリングに上がれる状態だった。

 普通、試合まで1カ月の間には調子の波が来るものだが、今回の村田は調子が悪くなることがほとんどなく、スパーリングがやや悪いときも一日休めば元に戻っていた。手数が多いブラントに3回までポイントを全て取られるのも覚悟で打ち合い、流れをつくれればと思っていたが、完勝して自信をつけた相手が前回より前に出てきてくれたのが逆によかった。同じように当たるのなら村田の方がパンチは強い。打ち合う距離で打ったから、前回に比べてボディーも決まっていた。

 早いラウンドで決着させるつもりはなかった。1回でも10回でも倒せば同じという意識だった。ただ、相手がぐらついているところで、このラウンドで終わらせようとラッシュした村田の判断が完璧だったのではないか。再戦が決まってから積み上げてきたものが、結果的に6分間に凝縮されたと思う。スパーリング開始直後に風邪をひいて調整に影響があり、海外での試合だった上に、対戦を目指していたゴロフキンが敗れるなど、前回は普通に戦える状況ではなかった。今回は日本での開催で練習通りの内容と、村田の実力がそのまま出た試合と思っている。(元WBC世界スーパーライト級王者、帝拳代表)

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2019年7月13日のニュース