×

拳四朗V2!4回猛ラッシュ“北斗百裂拳”で世界戦初のTKO

[ 2017年12月31日 05:30 ]

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦   ○王者・拳四朗 4R1分12秒TKO 同級11位ヒルベルト・ペドロサ● ( 2017年12月30日    横浜文化体育館 )

4回、ペドロサ(奥)にTKO勝ちの拳四朗
Photo By スポニチ

 WBC世界ライトフライ級王者の拳四朗は同級11位のヒルベルト・ペドロサを4回1分12秒TKOで下し、2度目の防衛に成功した。4回に強烈な右フックを効かせて連打でダウンを奪い、さらに連打でレフェリーのストップを呼び込んだ。世界戦初のKO勝利で「ケンシロウ」の名をアピールした。

 必殺技が飛び出したのは4回だ。序盤からジャブでペースを握った王者は右フックを効かせて相手をロープに追い詰めると、「今しかない。行けるんちゃう?」と左右の連打を次々と繰り出した。たまらずペドロサはダウン。さらに相手のボディーを連打、連打で攻め続け2度目のダウンを奪い、その後レフェリーが試合を止めた。

 電光石火の連打で世界戦初のKO勝利を手にした拳四朗は「あれ、実は北斗百裂拳です」とニヤリ。漫画「北斗の拳」のケンシロウの必殺技の名称を持ち出して会場を沸かせ、「最高っす」と童顔をほころばせた。

 「北斗の拳」好きの元日本ミドル級、元東洋太平洋ライトヘビー級王者でジム会長の父・寺地永(ひさし)さんから授かった名前はインパクト十分だ。だが、10月に初防衛に成功しても「テレビ中継がなかったのであまり名前を知られなかった」と悔いが残った。プレッシャーのかかる初防衛戦からわずか2カ月の強行スケジュールにもかかわらず、今回の興行への参加を決めたのはテレビの地上波生中継があるからだった。

 2週間前には39度近い高熱が4日続くピンチもあった。「もしインフルだと分かるとメンタルやられると思ったので、検査はしなかった」とじっと我慢。この一戦のためにコンディションを整え、予告通りにKOで勝ちきった。

 試合から約30分後、スマホでSNSのフォロワー数を確認した。インスタグラムは試合前の2780人から3033人に、ツイッターは2851人から3030人に増えた。「(増加は)200か〜。そんなもんか〜」と少々物足りない様子だったが、着実に知名度は上がっている。

 ◆拳四朗(けん・しろう)本名・寺地拳四朗。1992年(平4)1月6日、京都府城陽市生まれの25歳。奈良朱雀高―関大でアマ74戦58勝(20KO)16敗。14年8月プロデビュー。15年10月にWBCユース・ライトフライ級王座、同年12月に日本同級王座、16年8月に東洋太平洋同級王座を獲得。17年5月、ガニガン・ロペス(メキシコ)に2―0で判定勝ちし、プロ10戦目でWBC世界同級王座獲得。身長1メートル64・1の右ボクサーファイター。

続きを表示

この記事のフォト

2017年12月31日のニュース