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“バンタム級尚弥”に世界逃げ腰?強豪との豪華対決はプロモーションが鍵

[ 2017年12月31日 07:30 ]

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦   ○王者・井上尚弥 3回1分40秒TKO ●同級6位ヨアン・ボワイヨ(フランス) ( 2017年12月30日    横浜文化体育館 )

防衛に成功した井上尚弥(中)と父・真吾トレーナー(左)と弟・拓真
Photo By スポニチ

 井上は14年12月、2階級で通算27度の防衛を果たしたナルバエス(アルゼンチン)を2回KOで破り、華々しくスーパーフライ級にデビュー。世界からも注目されたが、その後は強豪との対戦が実現できなかった。

 ケガもなく、調整にも慣れた今年はビッグマッチのチャンスだった。しかし、4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア、帝拳)との夢対決は、ロマゴンがシーサケット(タイ、現WBC王者)に連敗して消滅。他団体王者との統一戦もIBF王者アンカハス(フィリピン)に3度逃げられ、WBA王者ヤファイ(英国)に至ってはプロモーターのハーン氏から「巨額の経済保証がなければこの対戦はふさわしくない」と拒否された。

 フェザー級世界ランカーのセルバニア(フィリピン、カシミ)をスパーリングで圧倒する井上は、バンタム級でも成功する可能性が高い。だが、スーパーフライ級と同じく、どの王者も簡単には対戦を受けてくれない。王座を返上すればバンタム級上位へのランク入りが予想されるWBOは、11月に世界戦最短記録の11秒KOを演じたテテ(南アフリカ)が王者。テテはツイッターで「井上が階級を上げたら戦うか?」と質問され「それこそがやりたい試合だ」と答えたが、プロモーターは交渉が巧みな英国人のウォーレン氏。2月にはナルバエスとの指名試合が控えており、井上戦の実現は早くても1年後とみられる。

 WBAとIBFの2冠王者バーネット(英国)はヤファイと同じプロモーターで、受けるとは思えない。そうなると、最も可能性が高いのはWBC王者ネリ(メキシコ)だ。3月に予定される前WBC王者・山中慎介(帝拳)との再戦の結果次第だが、プロモーターのベルトラン氏は「井上戦を受ける用意がある」と公言している。

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2017年12月31日のニュース