【侍ジャパン】吉田正尚が天覧V弾 球史に刻むミスターと同じ「9時10分」に逆転呼んだ
第6回WBC1次ラウンドC組 日本4ー3豪州 ( 2026年3月8日 東京D )
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侍ジャパンは8日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドでオーストラリアを4―3で下し、3連勝で1次ラウンドC組の1位突破を決めた。天皇、皇后両陛下と長女愛子さまが観戦された「天覧試合」。野球の国際試合では1966年11月の日米野球以来、60年ぶりとなった。先制を許したが、1点を追う7回にレッドソックスの吉田正尚外野手(32)が逆転で決勝の2ランを右翼席へ。「令和の天覧アーチ」でWBC10連勝に導いた。
日本野球を象徴する「9時10分」が刻まれた。偶然か、歴史的な運命なのか。吉田の打球が、67年の時空を超えて59年6月25日・伝統の一戦の長嶋茂雄さんの「天覧アーチ」と同時刻の午後9時10分に右翼席へ着弾した。
「日本国民として素晴らしい日。絶対に、勝たないといけない」
天皇、皇后両陛下、長女愛子さまが見守る前で1点を追う重い展開だった。「大地の力を借りた」と下半身と遠心力を使う吉田らしいスイングで、左腕ケネディのスライダーを巻き込み捉えた。7回2死一塁から2試合連発の2ラン。「重苦しい雰囲気だったので、何とか良かった」。WBCの4本塁打は、並んでいた大谷らを超え侍単独最多に立った。
日本中が忘れられなくとも、忘れたい過去がある。前回23年大会の準決勝メキシコ戦で起死回生の同点3ラン。WBC開幕前に「あれは忘れてほしい…。今はまだプレーヤー。あればかりでは駄目」と語った。レッドソックスでは24年秋の右肩手術の影響もあり、望んだ活躍ができていない。あの一発ばかりが話題に挙がり、重しになった。3年前と同じ「ビハインドで迎えた7回」に、あの劇弾をほうふつさせるように内角低めの変化球をさばく「天覧アーチ」で塗り替えた。
WBC歴代3位の19打点となった。自身を表す言葉として、岡本から「気」の一文字に例えられた。周囲を「気」にせず自然体だから、と理由を言われた。一緒に行ったユニバーサル・スタジオ・ジャパンではジェットコースターに岡本を誘ったが、「絶叫系はちょっと…」と断られた。だったら1人で…、と見ず知らずの中国人男性と並んで乗った強心臓。大舞台に強いクラッチヒッターの源だ。
招集にはスローイングを含めた守備が焦点だった。井端監督は米国まで足を運び、右肩の回復具合を何度もチェック。「最後は井端監督が笑顔でいられることがベスト」とその右肩で、胴上げする。まずはWBC10連勝での1位突破に導き、指揮官には「全打席期待感がある中で、こういう時に決めてくれるのはさすが」と称えられた。
3試合で打率・500、2本塁打、6打点。「マイアミでは厳しい戦いが続く。一戦必勝でみんなで力を合わせていく」。日の丸を頂に掲げる覚悟だ。(神田 佑)
【直撃コール 青学大・河原井正雄前監督(大学時代に吉田を指導。横浜市の自宅でテレビ観戦)】
――吉田が逆転弾で貢献した。
「重要な試合でここぞという雰囲気の中、打てるんだから、やっぱり凄いな。前の打席で長身の左投手に三振。次の打席で内角に沈む難しいスライダーを一発で仕留めた。前の回から登板した左腕の球筋を見極めたからこそスタンドに持っていけた。1回見たら本当に学習できるんだよ」
――4番が似合う。
「大会前は大谷に鈴木、村上や岡本の名前ばかりがクローズアップされたけど、井端監督は調子を見極めた上で4番に据えたと思うよ。他の選手も調子は良さそうだし、大丈夫。正尚も気をよくして米国に行ける」
――天覧試合の本塁打と言えば長嶋茂雄さん。
「そうか!ベースを一周した時は気持ち良かっただろうね。おめでとう」
《WBC10連勝》日本が1次ラウンド無傷の3連勝、第1回から6大会連続となる8強入りを決めた。23年の1次ラウンド初戦の中国戦からWBC10連勝。WBCでの2桁連勝は13、17年のドミニカ共和国(11連勝)以来2度目。今大会で次のチェコ戦と準々決勝も勝てば最多記録を更新する。
《WBC通算4発は侍単独最多》吉田のWBCでの日本代表の2試合以上連続本塁打は、今季台湾戦→韓国戦の大谷に次いで6人7度目。吉田は23年にも記録しており2大会連続2度目となった。またWBC通算4本塁打は、多村仁、筒香、中田翔、大谷の3本を抜く日本人最多記録。WBCでの決勝打は23年準々決勝・イタリア戦以来4度目で、中田翔の日本人最多に並んだ。
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