【高校野球】大阪の連合が快挙逃すも…9人の学校が選んだ連合、新価値示した夏2勝

[ 2025年7月21日 20:51 ]

第107回全国高校野球選手権大阪大会4回戦    茨木工科・福井・北摂つばさ・箕面東連合1-10豊中 ( 2025年7月21日    豊中ローズ )

<茨木工科、福井、北摂つばさ、箕面東・豊中>4回戦敗退で涙する北摂つばさ・水口(中央)(撮影・河合 洋介)
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 茨木工科・福井・北摂つばさ・箕面東の4校で戦った連合チームは、豊中に1―10の7回コールドで敗れて4回戦敗退となった。08年北大阪大会の東豊中・千里青雲以来17年ぶりとなる連合チームの16強入りは達成できなかった。

 試合後、誰よりも大粒の涙を流した選手がいた。夏3試合を一人で投げ抜いた北摂つばさのエース右腕・水口颯人(3年)だ。
 昨秋から連合を組む北摂つばさは、今年4月に新1年生が入部して選手9人がそろった。

 連合チームの部長を務めた伊野功史郎監督は、水口と正捕手の岩崎彪羅(ひょうら=3年)に聞いた。

 「夏は単独チームとしても出場できる。2人は、どうしたい?」

 2人の回答は同じだった。「連合で出たいです」。

 水野は「夏に勝つためには、単独ではなく連合でしかできないことがあると思いました」と夏の勝利を本気で狙うために決断した。

 伊野監督は「実は、僕も連合としての出場を願っていたんですよ」と本音を明かす。

 「秋からこの仲間と戦ってきたので、その形を一年間貫くことができればいいな…と思っていました。3年生は単独出場も連合もどちらも経験しているんです。そのバッテリー2人が連合で出たいと言うのであれば、その意見が一番ですから」

 伊野監督は、選手たちに「連合として出るのであれば、世の中に新しい価値観も示していこうよ」と伝えた。

 同監督にはアイデアがあった。連合用の統一ユニホームをつくりたいと考えたのだ。

 通常、連合チームの選手は、自校のユニホームをそれぞれ着用して戦う。しかし、今回の4校は、基本デザインを統一し、胸の文字だけ自校の学校名にする新ユニホームで挑んだ。

 夏限定ユニホームは費用の負担も大きい。同監督はプレゼン資料を作成するなど、保護者らに理解を求めた。

 「どこかの高校に選手1人しかいない野球部があるかもしれない。その選手に“このユニホームを着て一緒に野球やろうよ”というメッセージをこめさせてもらいました」

 そして、同じユニホームで戦う連合チームが結果を残した。

 水口が初戦から2試合連続完封勝利を決めて4回戦進出。豊中との4回戦も10失点を許しながら、最後までマウンドを守り抜いた。

 「連合で良かったです。死ぬまで絶対に、この夏のことを忘れないと思います」

 北摂つばさの伊野監督は、連合チームとしての新たな形を提示できたのではないかと考えている。

 「この夏が歴史の一ページ目です。ユニホームを変えて、気持ちを一つにすれば、こうして結果も残せた。野球を続けたい中学生、学校に野球部がない高校生が夢を持ってくれたらいいなと思います。僕らは、いつでも受け入れますから」

 単独出場が理想とは限らない。連合チームだからこそ流せた涙があった。(河合 洋介)

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