2度目のTJ手術から復帰を目指すブレーブスのストライダー 0勝4敗、防御率5.68と低迷の理由は

[ 2025年6月8日 11:00 ]

ブレーブスのストライダー(AP)
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 2度目のトミー・ジョン手術から復帰したブレーブスのスペンサー・ストライダー投手(26)が本領を発揮できていない。ここまで4試合に登板し、19イニングを投げ、0勝4敗、防御率5.68。23年に20勝5敗、281奪三振とメジャー屈指の支配力を誇った投手が、本来の姿を取り戻せるのか。データサイト「ファングラフス」が分析している。

 状態が良かった頃は、98マイル(約158キロ)のフォーシームと鋭いスライダーでリーグを席巻した。そのフォーシームが、今季の平均は95.2マイル(約153.2キロ)。2023年の97.3マイル(約156.6キロ)、2022年の98.2マイル(158.0キロ)から大きく低下している。

 問題は球速だけではない。リリース時の腕の角度(アームアングル)は48度から41度へと下がり、結果、スピンレートも落ちている。ホップ成分を示す“誘導垂直変化量(IVB)”は18.4インチ(約46.7センチ)から17.6インチ(約44.7センチ)に減り、横方向の変化(アームサイドラン)は6.1インチから8.5インチへと増加した。

 投手は通常、リリース時の腕の角度を下げると、垂直変化が減少、横変化が増す。しかし、ストライダーのフォーシームが特別だった理由のひとつは、その垂直性だった。上方向に浮き上がるような軌道、圧倒的な球速、独特のアームアングルが組み合わさり、打者がめったに目にしない異次元の速球だった。しかし、今季のフォーシームは普通の速球とあまり変わらない形状で、打たれやすい。

 打者のフォーシームに対する平均打球速度は90.1マイルから95.3マイルに上昇し、バレル率(完璧に捉えた打球の割合)は9.3%から14.3%に増えた。スライダーも同様。リリースポイントが低くなったことで、グラブ側(左打者方向)への変化が約0.5インチ増したが、縦方向の変化が0.5インチ減っている(沈まなくなった)。球速の低下も相まって、打者が振ってくれないため、ストライダーはスライダーをゾーンの真ん中近くに置くことが増え痛打される一因となっている。

 スライダーが機能しない理由のひとつは、打者が恐れるようなフォーシームではないからだ。そしてトンネル効果(2球種の見分けにくさ)が損なわれている。フォーシームはアームサイド(右打者方向)へ、スライダーはグラブサイド(左打者方向)へ変化するため、球筋がより早い段階で分かれ見極めが容易になっている。

 ブレーブスのブライアン・スニッカー監督は「一晩で元に戻るものじゃない」と語っている。問題はこれも復活へのプロセスなのか、それとも直球とスライダーの威力が二度と戻ってこないのかどうかということだ。ストライダー自身、すでに試行錯誤を始めている。マウンド上での立ち位置を大きく変更、プレートの中央から約8インチも一塁側へ移動し、極端に外寄りから投げている。そしてもし以前の球威が戻ってこないなら、別の投手になり、新しいアプローチを模索しなければならない。

 以前はフォーシームとスライダーが9割だったが、カーブとチェンジアップを混ぜる。緩急をつけ、ゾーンを散らし、カッター、スイーパーにもトライする。つまり普通の投手たちが取り組んでいることをやらなければならなくなる。ちなみに1度目のトミー・ジョン手術は2019年のクレムソン大学時代。2020年はコロナ禍でほとんど登板できなかったが、2021年には復活し、一気にブレーブスのシステムを駆け上がった。はたして今回はどうなるのか。

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