大リーグ公式サイトがナックル並みのスピン量など佐々木のスプリットが一味違う理由を3つの要素から分析

[ 2025年3月6日 19:00 ]

ドジャース・佐々木朗希(撮影・沢田 明徳)
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 大リーグ公式サイトがオープン戦初登板で披露した佐々木朗希のスプリッターを絶賛している、チームメートの山本由伸大谷翔平も世界最高レベルのスプリットを持つが一味違うという。

 ポイントは3つ。

 (1)極めて低いスピン量スプリットは元々スピン量が少ない球種であり、それが「落ちる」軌道を生み出し、打者がボールの上を振ってしまう要因となる。しかし、佐々木のスプリットは特にスピン量が少ない。昨シーズンのメジャーリーグ平均のスプリットの回転率は1302回転/分だった。これに対して、佐々木のスプリットは519回転/分。三振を奪った4球の回転率はスピン、それぞれ570回転/分、542回転/分、403回転/分、584回転/分だった。これはほとんどナックルボールのようなレベル。実際、メジャーリーグ全体で見ても、今シーズンここまでで佐々木のスプリッターよりスピン量が低いボールは、パドレスのマット・ウォルドロンが投げるナックルボールのみだった。

 (2)驚異的な落差佐々木のスプリットが極端にスピン量が少ないことで、2つの大きな影響が生まれている。そのひとつが、「テーブルから落ちるような」驚異的な落差だ。スタットキャストでは、球の垂直方向の変化を2つの方法で測定している。一つは総合的な垂直変化量。投手の手元からホームプレートまでの落差で重力の影響を含む。もう一つは誘導垂直変化量で重力の影響を除き、投手の投げ方によって生じる落差を示す。どちらの指標でも、佐々木のスプリットはトップクラスの数値を記録した。総合的な垂直変化量では、平均43インチ(約109 cm)の落差を記録。これはスプリットとしては非常に大きな数値であり、昨シーズンのメジャーリーグで最も落差の大きかったスプリットの41インチを上回っている。誘導垂直変化量では、5インチ(約13センチ)の下方向の変化を生み出した。この数値も昨シーズンのメジャーリーグ全体の記録と比較しても、最も大きい。つまり、佐々木のスプリットの変化量はすでにメジャートップクラスに達している。

 (3)両方向に変化するここまで見てきたのはスプリットの「縦の変化」だが、もうひとつ重要なのが「横の変化」。通常、スプリットやフォークボール、チェンジアップ、スクリューボールといった変化球は、ほぼすべて投手の腕側(アームサイド)に曲がる。しかし佐々木のスプリッターは両方向に動く。腕側だけでなく、時にグラブ側(グラブサイド)に鋭く変化することがある。アームサイドに動くスプリッターは、速球と似た軌道を描くが、大きく落ちる。逆にグラブサイドに変化するスプリッターは、スライダーのような軌道を持つ。ただし、スライダーより球速が速く、変化量はやや控えめだ。そして、これら3種類の球はすべて同じリリースポイントから放たれている。今回の登板を見る限り、佐々木は左打者に対してスプリットをカットさせる傾向がある。その変化量は最大6インチ(約15センチ)にも達した。一方で、右打者にはより「通常の」スプリットを投げることが多かった。最大7インチ(約18センチ)も腕側に動いていた。しかし、右打者相手にも数球はカットするスプリットを投じた。

 試合後、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「彼のスプリットは速いし、見た目はまるで速球だ。ある球は真下に落ち、ある球は左へ、ある球は右へ変化する。何をするか分からないから、しっかりと芯で捉えるのが非常に難しいんだ」と称賛している。大リーグ公式サイトは佐々木のスプリットはメジャーリーグを(せっけん)する次の偉大な球種になると予測している。

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