千葉学芸の2メートル右腕・菊地ハルン 日米10球団スカウトの前で圧投!5回1安打6K

[ 2024年7月13日 05:00 ]

第106回全国高校野球選手権千葉大会2回戦   千葉学芸5-2佐倉 ( 2024年7月12日    船橋市民 )

<千葉学芸・佐倉>5回を1安打無失点に抑えた千葉学芸のエース・菊地
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 降りしきる雨の中、身長2メートルの超大型右腕が存在感を示した。千葉学芸のエース・菊地ハルン(3年)が5回1安打無失点、無四死球で6奪三振。初戦突破に貢献し「1本打たれて気持ちが入った。直球でも変化球でもカウントを取ることができたし、後半は納得できる投球」と笑った。

 初回、先頭打者に中前打を許した。犠打と自らのけん制悪送球で2死三塁のピンチ。浮足立ってもおかしくない場面でも冷静だった。「フォームにタメがなかった」と気付き修正。後続を断った。2回以降は制球重視で長嶋茂雄氏(現巨人終身名誉監督)の母校でもある伝統校の佐倉にチャンスを与えなかった。

 スタンドには日米10球団のスカウトが集結。最速149キロの直球は142キロ止まりだったが楽天の沖原佳典スカウトは「将来性豊か。2メートルの選手がどうなるか想像できない。器用で変化球でストライクが取れるし制球もいい。直球がもっと強くなってくれば」と無限の可能性に期待した。

 パキスタン人の父と日本人の母の間に生まれた。幼少時から周囲より頭1つ以上大きく、中学入学時で1メートル76。好物は白米と肉で母・知恵子さん(50)は「いつも2、3合食べています。牛でも豚でも鶏でもいいけど、食卓に焼いた肉がないと怒られる」と笑う。夏でも落ちない食欲とトレーニングの成果で体重は103キロ。まだまだ成長を続ける。

 走塁で三塁に滑り込んだ際に左手親指を負傷し、大事を取って5回で降板も「目標は甲子園。150キロも出したい。出せる体にはなっている」と自信たっぷり。名前の「ハルン」はアジアの王様が由来。戦国・千葉の王になるべく、腕を振る。(八田 朝尊)

 ◇菊地 ハルン(きくち・はるん)2007年(平19)1月21日生まれ、千葉県市川市出身の17歳。幼稚園年少から野球を始め、中学時代は佐倉シニアに所属。千葉学芸では1年夏からベンチ入り。最速149キロ。2メートル、103キロ。右投げ右打ち。

 ≪2メートル超えの現役選手 巨人・秋広だけ≫現在、身長2メートル超えの現役NPB選手は外国人を含めても2メートルの秋広(巨)しかいない。過去に所属した日本人選手では、のちにジャイアント馬場としてプロレスで活躍する馬場正平(巨=2メートルで登録)、20年育成ドラフト8位で札幌大谷から巨人に入団し、昨季限りで戦力外となった阿部剣友(2メートル)がいる。

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