西武にもいた!平良が「新・投げる哲学者」 データで快投しオリ相手に本拠地開幕戦で白星

[ 2024年4月3日 05:30 ]

パ・リーグ   西武2-1オリックス ( 2024年4月2日    ベルーナD )

<西・オ>力投する西武先発・平良(撮影・郡司 修)
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 国内では「新・投げる哲学者」が今永に続いた。西武の平良海馬投手(24)が2日、オリックス戦で6回途中5安打無失点で今季初勝利を挙げた。投球を可視化する弾道測定器「ラプソード」で投球データを計測するなど、進化を続ける理論派右腕。昨年8勝17敗と大きく負け越したリーグ覇者との今季初対戦で、大きな勝利をもたらした。

 あえて、試合前に相手打者の映像は見ない。平良が常に頭に入れているのは、配球チャートと打球方向のマップ。今季初対戦となるオリックス打線に「映像の先入観は入れずに、データだけを見た」と弱点をインプットし、本拠地開幕戦で白星を手にした。

 5回2/3を5安打無失点。毎回走者を背負う苦しい投球も、最後まで得点は許さなかった。広島からFA移籍した西川には曲がり球を多投し、3打数無安打に封じた。初対決だった初回無死一塁でカウント2―2から空振り三振を奪ったのは、外角ボールゾーンからストライクゾーンに食い込む「バックドア」のカットボール。5回無死一塁は変化球で追い込み、1打席目とは逆の内角スライダーで遊ゴロ併殺。「詳しくは言えないけど、カットやスライダーを使いながらしっかり攻められた」と試合前に確認したデータ通りに緻密な計算で斬った。

 数字ではじき出された根拠がある。登板前日には2つのミーティングが日課だ。昨年から自費でデータ解析サービスを提供する「ネクストベース」に配球分析を依頼。さらに、球団のスコアラーやデータ班と話し合いを重ね、相手打線への攻め方を頭に入れる。「感覚が一番当てにならない。データはうそをつかない」がモットー。「高めの直球の方が空振り、ファウル、フライアウトを取りやすい」と独自の理論での「ハイボール革命」も提唱する。プロ初の2桁となる11勝を挙げた昨年に続き「今年も変えずに投げていきたい」と先発転向2年目も自身のスタイルを貫く。

 昨年オリックス戦は3試合で1勝0敗、防御率1・35で今季も初先発初勝利。リーグ3連覇中の強敵に先発では無敗だ。「今日は変化球のリリースが抜けていた。また映像やデータを見ながら調整していきたい」と平良。カブス・今永にも引けを取らない、探究心は尽きることがない。(福井 亮太)

 ≪“勝利の男神”春日が矛盾の「120点」始球式≫お笑いコンビ「オードリー」の春日俊彰が、始球式に登場。力強いノーバウンド投球を披露し「古賀選手のキャッチャーミットを焦がすところまでいけなかったのが悔しいね。自己採点をするなら矛盾するけど120点だね」と笑った。生粋の西武ファンで、これでイベントなどに登場した試合は8試合で6勝。ファンから「勝利の男神」と呼ばれる本領を発揮した。

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