広島・秋山 5年ぶり古巣本拠で攻守に躍動!オープン戦初のフル出場で開幕へスパート

[ 2024年3月20日 05:05 ]

オープン戦   広島1―3西武 ( 2024年3月19日    ベルーナD )

<西・広>7回、二塁打を放つ秋山(撮影・久冨木 修)
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 広島・秋山翔吾外野手(35)が5年ぶりに凱旋した思い出の舞台で攻守に健在をアピールした。19日の西武戦(ベルーナドーム)に「5番・左翼」でオープン戦初のフル出場。初回の守備で補殺をマークすると、7回先頭の第3打席では左翼フェンス直撃の二塁打だ。開幕に照準を合わせつつ、古巣ファンに元気な姿を披露するベテランが頼もしい。

 19年以来5年ぶりに帰ってきた西武の本拠地。古巣ファンからの温かい声援が心を揺さぶる。「思い出深いというか、打席の景色は変わらないので、凄く気持ちよく入れた」は本音。ただし感慨に浸ったままで終わらず、プレーでも魅せるのが秋山の値打ちだ。

 「(二塁に)誰もいないのに投げちゃいました…という感じだったけど、良かった。ボールの進みのいいグラウンドだからできたことかなと思う」

 まずは守備だ。初回1死満塁から中村剛の左犠飛で同点となった場面。がら空きの二塁を見て一走・アギラーが猛然と走る。瞬時に一塁手・シャイナーも追いかけ、秋山からの好返球を受けてタッチアップを阻止した。球場の特性を知るからこその好判断だった。

 バットでも魅せる。同点の7回に先頭打者で二塁打を放った。同学年の増田が1ストライクから投じた外角スライダーを振り抜くと、放物線を描いた打球は左翼フェンスを直撃した。ボールを押し込んで逆方向へ。技術だった。

 「(増田と)あの空間で一緒に野球をやることはない。後ろ(外野)からしか見ていなかったので。その意味では感慨深い。この時期だし、内容的にも打てて良かった。前向きに捉えていいと思う」

 開幕が近づく中、この日は最後までグラウンドに立ち続けた。11試合目で初のオープン戦フル出場。新井監督は「彼にとっては慣れ親しんだ球場。久しぶりに帰ってきて昔を思い出したと思う。ナイスヒットだったし、いい調整ができていると思う」と目を細める。

 赤いユニホームを着て思い出の舞台で懸命にプレーし、チーム内外に改めて示した攻守での健在ぶり。ライオンズファンやナインには、35歳の姿がどう映ったのだろうか。

 「(姿を)見せたいというのは、こっちの一方的な願望。ただ、あんなに近くで西武ファンの応援を聞いたのは初めてなので、今までとは違うな…と」

 昔も今も変わらぬ全力の姿勢。ただし、勝利を追い求める先は変わった。秋山はこの日の甘美な記憶を胸に刻み、切り替えて、近づく開幕を見つめる。 (江尾 卓也)

《好調 小園2号先制弾》C…小園が先制アーチをかけた。初回2死から平良が2球続けたスライダーを捉え、ライナーで敵地の右翼席へ運んだ。「反応で打った。スイング自体、そんなに思い切り振っていないので(スタンドまで)行くとは思わなかった」。1日の楽天戦以来のオープン戦2号。「フォームが固まった感じ」と言うだけあって、打率・412と好調を持続する。新井監督は「ずっといい。今季はもう一つ上の小園が見られるのでは。期待している」と目を細めていた。

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