「選手育成とマイナーの現状について質問してきた」ドジャース関係者が明かす1日の大谷とのミーテイング

[ 2023年12月10日 16:11 ]

大谷とドジャースの契約合意を伝える代理人事務所CAAのインスタグラムの投稿

 スポーツイラストレイテッド誌のトム・ベデューチ記者が、大谷翔平の獲得に成功したドジャース幹部の肉声を9日(日本時間10日)に報じている。

 8日、「大谷が間もなく決断する」、「トロントに飛行機で向かった」という報道が流れた。そこでその夜、幹部を集めて緊急ミーティングが開かれた。報道が事実かどうか定かでなかったからだ。間違いの可能性が高いと思われたが、それでも不安で、ミーティングの空気は重苦しかった。「どうなっているのかわからなかった。気分が良いものではなかった」と振り返る。

 12月1日、大谷がドジャーススタジアムを訪れミーティングを行った時は好感触を得ていた。大谷が選手育成についての取り組み方や、傘下のマイナーシステムがどうなっているかを聞いてきたからだ。大谷は長期契約を結ぶ上で、次にプレーするチームの成功が長続きするかどうかを気にしているとわかった。であればドジャースはブルージェイズよりもチャンスがあるはずだ。大リーグ公式サイトの23年のファームシステムランキングではドジャースは6位、ブルージェイズは25位だった。ドジャース幹部は「彼はお金が多額であることが最高の条件だとは考えていない。次の10年間、ポストシーズンに出られかどうかが重要であれば、実績通りブルージェイズより我々の方がアドバンテージがある」。

 他には大谷がどれだけ野球が好きかという話にもなった。大谷の同僚が「彼には2つの娯楽がある。一つは野球をプレーすること、もう一つは野球のためのトレーニングをすること」と話したことがあったが、まさにその通りの人物だった。「我々はその話に衝撃を受けた。彼は29歳だが、その年齢よりもずっと若く、青年のように野球を愛している。我々は何が彼のモチベーションになっているかを知りたかったが、シンプルに野球をプレーすることだった。ミーティングの後、とてもすっきりした気分になったし、より彼と契約したいと思った」。

 ドジャースは23年もMLBトップの383万人を動員し、スタンドはほぼ満員だから、大谷加入でチケットの売れ行きが劇的に伸びることはない。しかしながら大谷の持つ国際的なブランド力は、他の選手にはないものだ。マーク・ウォルターオーナーもそこを理解し、獲得を全力でサポートした。ドジャースはさらに山本由伸や佐々木朗希の獲得にも動く方針で、大谷本人にも「WBCのチームメートがドジャースに来ても大丈夫か」と探っておいたそうだ。

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