巨人・阿部監督 初陣飾った!侍に1―0完封勝利「困ったらど真ん中」「3球勝負」で4投手会心リレー

[ 2023年11月11日 05:30 ]

練習試合   巨人1―0侍ジャパン ( 2023年11月10日    SOKKEN )

<巨人・日本代表>ベンチで笑顔を見せる巨人・阿部監督(撮影・尾崎 有希)
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 巨人・阿部慎之助監督(44)が10日、自身の初陣となる侍ジャパンとの練習試合に臨み、1―0で競り勝った。登板した4投手にはストライクゾーン内で勝負することをテーマとし、日本代表の強力打線を7安打無失点リレー。与えた四球は1つだけだった。守り勝つ野球を重視する指揮官は、初の対外試合でその色を前面に押し出し、白星発進を飾った。

 確かな手応えを感じていた。多くの捕手が「最もうれしい」と口をそろえる1―0完封勝利。阿部監督は完封リレーで初陣をものにし「ピッチャーも全員、頑張ったと思います。課題もあるけど、収穫の方が多かった。とてもいい一日だった」と侍ジャパン打線を7安打無失点に封じた4投手を称えた。

 就任直後の秋季練習から投手陣には「真ん中を目がけて投げろ」と口酸っぱく指導を繰り返してきた。捕手目線で、全てのボールが四隅のコーナーには簡単に決まらないことを数多く経験してきたからこその金言だった。多少甘くなっても強いボールをストライクゾーン内に投じ、空振りやファウルを奪う重要性を説いてきた。

 先発の松井は3回で5安打を許したが、初回1死一、二塁から4番・牧を二ゴロ併殺打に仕留めるなど、真っ向勝負を挑んだ。2番手の堀田は3回1安打。「1軍で投げるようになってからどうしても抑えたい気持ちがあって、いいところって思いながら投げていた。監督から“そんなの気にしなくていい”と言われて、そこを意識せずに試合に入った」と振り返った。

 先発捕手の岸田はコースギリギリにではなく、甘めのコースにミットを構えた。捉えられた打球が野手の正面を突くシーンもあり「ストライク先行で。ボール、ボールになることが少ないので、みんな良かったと思います」と成果を実感した。

 阿部監督はバッテリーに「困ったらど真ん中」「打たれてもいいから3球勝負」というテーマを与えていた。ルシアーノ、直江と続き、4投手で計7安打されたが、全て単打。四球は9回2死からのわずか1つだけだった。2年連続4位に沈んだ今季、リーグワースト2位の401四球を与えた。無駄な四球から失点につながるケースが多く、ボール先行から甘くストライクを取りにいった球を痛打されることも続いた。特に若い投手にはゾーン内で勝負する意識を植え付ける狙いがある。

 「ど真ん中に投げろと。そういう気持ちも大事。これからも教えていきたい」。秋季練習、キャンプでの取り組みが生きた「侍相手の1―0完封勝利」は、阿部監督のカラーが十分に出た初陣になった。(川島 毅洋)

 【00年以降の巨人新監督の初陣】

 ☆02年原辰徳 2月24日の近鉄とのオープン戦(サンマリン宮崎)。長嶋前監督が見守る中、1、2番に清水と仁志、7、8番に阿部と元木の新オーダーで勝負。3回までに先発全員安打、松井、高橋由にも一発が飛び出し、巨人のオープン戦では最多得点零封の13―0と大勝。

 ☆04年堀内恒夫 2月27日の西武との練習試合(南郷)。先発・林が4回5失点KO。続く酒井、南も崩れ、3投手で18被安打。打線も3安打と振るわず、1―14と大敗した。試合後は約30人の報道陣が待機したが、囲み取材を拒否。

 ☆16年高橋由伸 2月18日の韓国LGとの練習試合(那覇)。新人の重信を2番、19歳の岡本を7番に据えて若手を起用。重信は3安打1打点、岡本も2打席連続安打など期待に応え、4―2で勝利した。

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