巨人元投手で球団広報の香坂英典氏 新監督へエール 「阿部野球」打ち出して

[ 2023年10月7日 05:30 ]

笑顔でグータッチする原前監督(左)と阿部新監督(撮影・尾崎 有希)
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 巨人の元投手で、球団広報などを歴任した香坂英典氏(65=現社会人野球・全府中野球倶楽部コーチ)が阿部新監督にエールを送った。名物広報だった香坂氏は中大の先輩であり、現役時代には教育係を担った。44歳の青年監督に元来の明るさを前面に出して、「巨人人気」を向上させることを望んだ。

 いや~面白い。「来年はアレではなく、アベ」。これを言えるのが慎之助だ。私の知る限り、この男の本質はひょうきんで明るいこと。形態模写なんか抜群にうまい。若手時代から中心選手でありながらムードメーカー。劇的な一打を何度も放って「サヨナラ慎ちゃん」と呼ばれ「最高で~す!」のフレーズでファンを盛り上げてくれた。指導者になってから厳しいイメージを持っている人も多いが、これが本来の姿。ゴジラが海を渡った後、巨人人気を支えたのは紛れもなく慎之助だ。

 今の巨人は勝てないことも影響してか、暗く感じる。だからこそ、求めるものは「巨人人気」。人気面を強く意識した長嶋監督の最後の弟子でもある。チームは過渡期だ。秋広ら若手に切り替えているところでもあり、その若手とともにノビノビと明るいチームにつくり替えてほしい。

 監督としての資質もある。強打者のスターの系譜はゴジラ、由伸、慎之助。ただ外野手だった2人と比べて捕手として守りの「中心線」で戦い、ゲームを動かしてきた。この経験値は計り知れない。引退後も4年間、指導者の経験を積んできた。話すと凄く勉強しているし、忍耐力もある。原監督と選手のパイプ役となり、本人も「選手の気持ちを聞きながらやっています」と言う。成長を感じる。

 まずは「阿部野球」とは何か。これを明確に打ち出すことを期待している。長嶋監督なら「スピード&チャージ」、原監督なら「ジャイアンツ愛」。ファンを引きつけるフレーズはとても重要だ。

 今から23年前、巨人に1位指名された後に実家を訪れた。階段の手すりがバットで作られていて、そのバットに「成功あるのみ」と書かせてもらった。選手として成功した。そして監督としても成功することを願っている。(元読売巨人軍広報)

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