巨人・阿部新監督 来季は「アレ」じゃなくて「アベ!」 3年契約「強い巨人軍、愛される巨人軍をつくる」

[ 2023年10月7日 05:30 ]

会見する巨人・阿部新監督(撮影・尾崎 有希)
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 巨人の阿部慎之助新監督(44)が6日、東京・大手町の読売新聞本社で就任会見に臨んだ。3年契約で、背番号は原辰徳前監督(65)から「83」を引き継いだ。来季の目標については、今年18年ぶりのリーグ優勝を果たした阪神・岡田監督の「アレ」を引き合いに出し、来年度は「アベ」を前面に出し、20年以来4年ぶりのリーグ優勝を掲げた。

 1291勝。巨人史上最も勝利を挙げた原監督の後継者に指名され、重圧がのしかかる。山口寿一オーナーと3人で並んだ壇上。真っ赤なネクタイ姿で会見に臨んだ阿部新監督は、発言する際に立ち上がり、直立不動の姿勢でマイクを握った。終始硬かった表情は、V奪回を宣言する最後にようやくほどけた。

 「来年は“優勝”という言葉を意識して口に出していこうと思っています。本年度“アレ”で盛り上がっています。来年度は“アレ”ではなく“アベ”で行きたいと思います」

 今季6勝18敗1分けと大きく負け越し、独走Vを許した永遠の宿敵・阪神の岡田監督が口にする「アレ」を引き合いに、優勝宣言で宣戦布告した。代名詞でもあった現役時代のお立ち台での「最高で~す」と登場曲、アース・ウインド&ファイアーの「セプテンバー」。「強い巨人軍、愛される巨人軍をつくる。“最高”のファンの皆さんとともに喜びを“セプテンバー(9月)”に味わえればうれしいです」。アベ色もちりばめ、V奪回への覚悟を表現した。

 2年連続のBクラス4位が決まり、ヘッド兼バッテリーコーチとして責任を痛感してもいた。山口オーナーから監督の就任要請を受けた際、受諾の旨を伝えたが「本当に引き受けていいものか、自問自答した」。迷いがあった。そんな中、監督室で原監督から言葉をかけられた。「笑顔で“慎之助で良かった”と言ってもらった。それが自分を決心させてくれる最高の言葉だった」と明かした。

 引退後、2軍監督時代から背番号は「80」だったが、原監督から「83」を引き継ぐことを自ら望んだ。入団時の監督だった長嶋茂雄終身名誉監督の「3」と、原監督の現役時代の「8」を合わせた数字。2人への恩返しの思いも込めた。

 指導者としては1軍コーチで2年間、原監督の采配を間近で見てきた。学んだことは「決断ではないかなと思っている。投手交代、代打起用、頭の中をぐるぐる回して、その回転の速さは僕はまだ未熟。勉強しながら日々、精進していきたい」と明かした。36年のプロ野球公式戦開始以降で巨人監督に捕手出身が就くのは初となる。

 「僕の中では永遠に原監督なので、原さんとは言いづらい気持ちです。素晴らしい大監督の下、バトンを受け継ぐことになり、凄く身が固まる思いです」。神妙な面持ちで発した第一声に偽りはない。先人たちの伝統にアベ色を加えながら、常勝軍団再建へ向かう。(川島 毅洋)

 ≪現役時代は10番≫阿部監督は現役時代は背番号「10」。19年に2軍監督就任時、原前監督が現役時代に背負った「8」と、自らが19年背負った「10」をかけ合わせ「80」を背負い、指導者として4シーズン過ごした。原前監督は99~01年までのコーチ時代にやはり「80」をつけ、監督に就任した02年に自らの「8」と、長嶋前監督の「3」を合わせた「83」をつけた。06~15年の第2次政権は「88」、19年からの第3次政権は原点回帰として「83」だった。

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