エンゼルス・大谷 右肘オペ「成功」二刀流継続へ最先端手術 24年から打者専念、25年投手復帰目指す

[ 2023年9月21日 05:00 ]

右肘の手術を受けた大谷
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 エンゼルスは19日(日本時間20日)、大谷翔平投手(29)がロサンゼルス市内の病院でじん帯を損傷している右肘の手術を受けたと発表した。右肘手術はメジャー1年目の18年10月に続き2度目。術式は非公表だったが、投打二刀流を継続するため最先端の手術を選択したとみられる。大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏(60)は24年開幕から打者専念で出場し、投手での復帰は25年になると声明を発表した。 

 より長く二刀流を継続するべく、新たな一歩を踏み出した。大谷がロサンゼルス市内の「カーラン・ジョーブ・クリニック」で右肘じん帯の手術を受け、成功。米メディアは次々と速報した。

 右肘じん帯を損傷して以降も沈黙していた大谷は、自身のSNSを更新。「早朝に手術を受け無事成功しました。不本意ながらシーズン途中でチームを離れることになりましたが残り試合のチームの勝利を祈りつつ、自分自身一日でも早くグラウンドに戻れるように頑張ります」と報告。敵地でのレイズ戦後に吉報を聞いたフィル・ネビン監督は「電話をして、元気にしているか確認したい」と頬を緩めた。

 執刀医は前回の18年に右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた時と同じニール・エラトロッシュ医師。術式は非公表だが、大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏の声明によれば、同医師は「右肘の寿命を延ばすために生存可能な組織を追加しながら、適切な位置に健康なじん帯を強化した」と説明。一方で、損傷した肘のじん帯を切除し他の部位から正常な腱を移植する、トミー・ジョン手術かどうかは明らかにされていない。米メディアではポリエチレン製の人工じん帯を用いて修復する「インターナル・ブレース」と呼ばれる方式が採用された見方もあるが、前例のない最先端の手術を受けた可能性がある。なぜか。バレロ氏は決断の経緯を、次のように明かした。

 「最終的な決断と手術の種類は全体像に重点を置いた。翔平は今後、何年も二刀流を続けることを希望した」

 世界中のファンを魅了してきた投打二刀流を、今後も追求することに変わりはない。来季は打者に徹しながら、投手としてのリハビリに励むが、同氏は完全復活への青写真を「24年の開幕に制限なく打撃を行う準備ができており、25年には投打両方でプレーすることができる」と描いた。

 ただ、今回の手術が今季終了後にFAになる大谷の契約にも影響を与えることは必至だ。スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は声明に不明点が多いとし「大谷と代理人が情報提供を拒否したことで、さらに複雑化している」と断じた。契約は最低でも史上最高額の5億ドル(約740億円)規模が予想される中、オフの動向からも目が離せない。(柳原 直之)

 ≪日本人選手からエール≫▼ブルージェイズ・菊池(花巻東の先輩)ただでは起き上がらない男。強くなって帰ってくると思う。

 ▼ツインズ・前田(自身も21年9月に右肘を手術)リハビリの捉え方は人それぞれで変わる。翔平はプロフェッショナルの中でもプロフェッショナルな選手なので、そこに関しては問題ない。

 ▼カブス・鈴木 本人が一番残念だと思う。でも彼ならすぐに復活して、また同じような活躍をしてくれると思う。自分も負けないように頑張りたい。

 ▼レッドソックス・吉田 早く元気になってほしい。

 ≪米屈指の名医≫手術を担当したニール・エラトロッシュ医師は、トミー・ジョン手術を考案したフランク・ジョーブ医師と長年ともに仕事をした全米屈指のスポーツ整形外科医だ。ドジャースのチームドクターを務め、競技の枠を超えて名声が広まり、13年4月には同じ日に先発右腕グリンキー(当時ドジャース)の右肩手術と、NBAレーカーズのコービー・ブライアントのアキレス腱の手術を担当したこともある。

 ≪代理人の車に乗っていた?≫大谷は午前7時前には「カーラン・ジョーブ・クリニック」に入ったとみられる。同15分にネズ・バレロ代理人と水原一平通訳が病院から外出し、約3時間後の10時30分に戻った。11時30分にバレロ代理人が自身の車を病院の裏口に回し、午後0時15分に車が出発。大谷の姿は確認できなかったが、乗車していた可能性が高い。

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