楽天・宮森 2年目は「足袋」スパイクで足固め 親指に切れ目の新形状で勝ちパターン入りだ

[ 2023年1月23日 05:30 ]

自身が履く「足袋型スパイク」を手にする楽天・宮森
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 両足の親指の部分に切れ目が入ったスパイク。まさに「足袋」だ。仙台市内の2軍施設で自主トレを公開した楽天の2年目右腕、宮森は新兵器を手に「普通のスパイクより疲労感も少ないし、指や足全体をしっかり使える」と効果を説明した。

 地面を蹴る、踏ん張る…。人の足指はそれらの動きの際に負荷がかかり、研究では指の間が最大120%(約1センチ)広がるという。それに合わせて足先が広がる作りの足袋型スパイクは、ストレスなく力を最大限に発揮できる。

 宮森は「自分はグラブも同じメーカー(ハタケヤマ)で、そういうスパイクがあると聞いて昨秋のキャンプで試した。(プロ野球では)そんなにいないですね」と言う。普通のスパイクと比べて足先が締め付けられるような感覚がなく「投げていても踏ん張れる。地面の“かみ方”とか足全体が使える感じ」と手応えも上々。この日も球団カラーのクリムゾンレッドの足袋型スパイクでキャッチボールなどで汗を流した。

 昨季は育成選手から支配下登録され、8月7日のソフトバンク戦でのデビューからプロ野球タイ記録の22試合連続無失点もマーク。1メートル93の長身を生かした角度のある直球が武器で、2年目ながら新人王の資格も残るセットアッパー候補は「勝ちパターンで50試合以上」と目標を掲げる。

 昨年はシーズン終盤に疲労でパフォーマンスが落ちただけに「一試合一試合を抑え、その結果が最優秀中継ぎだったりタイトルになれば」と青写真も描く。さらなる飛躍を狙う上で、新兵器は心強い存在となるはずだ。(鈴木 勝巳)

 ≪陸上では広く流通≫「スポーツと足袋」で有名なのは陸上だ。池井戸潤氏原作の小説・ドラマの「陸王」では「マラソン足袋」が登場。老舗足袋製造会社が足袋型のランニングシューズを開発するストーリーとなっている。現実でも足袋型シューズは広く流通。また、多くの野球選手も愛用している「5本指ソックス」なども足袋の応用品といえる。

 ≪小さな町は年末年始大盛り上がり≫ 22日に仙台市内の2軍施設で自主トレを公開した楽天の2年目右腕・宮森は、デビューからプロ野球タイ記録の22試合連続無失点もマークした昨季の活躍もあり、年末年始に地元の広島県呉市安浦町に帰省した際は大歓迎されたという。人口約1万人の町で「自分の話がめちゃくちゃ広まっていた。近所のおじいちゃん、おばあちゃんにも“おめでとう”って」と明かす。後援会を立ち上げる動きもあり「また年末に帰った時も祝福してもらえるよう頑張りたい」と意欲を燃やしていた。

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