NTT東日本、初優勝ならず 躍進の裏には元中日・井端コーチが尽力

[ 2022年11月9日 22:54 ]

第47回社会人野球日本選手権 決勝   NTT東日本1―8トヨタ自動車 ( 2022年11月9日    京セラD )

<トヨタ自動車・NTT東日本>準優勝に終わり、肩を落とすNTT東日本ナイン(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 初の決勝進出で先発を任された2年目の多田裕作が4回3失点でマウンドを降りた。3回に3、4番の連続適時打で逆転を許した。昨年の都市対抗では抑えで活躍し、若獅子賞(新人賞)を受賞した右腕に平野宏監督は「可能性を広げたい」と2回戦に続いて先発で起用。だが、準決勝で6番手として1回1/3の登板に続く連投で奪三振も0に終わった。「負けたのが悔しい。気持ちでは向かっていったが、体はきつかった。でも粘れなかったのは実力不足」と唇を噛みしめた。

 就任1年目の平野監督は「エースと4番はいないが、手を抜く選手もいない。底力のあるチーム」と語る。17年に都市対抗を制した飯塚智広前監督からバトンを受け、基本の徹底と「野球の理解を深め、サインを待たなくても動ける野球」を目指してきた。国士舘大を経て、NTT東日本で13年間プレー。その間に投手から野手に転向した経験も指導者としての財産だった。

 「迷ったときに的確なアドバイスをしてくれた」と頼りにしたのが今季から正式就任した元中日・井端弘和コーチの存在。ゴールデングラブ7度受賞の経験から守備強化に尽力。さらに「WBCなどで一発勝負の難しさも知っている」と日本選手権で初の決勝進出に向け、ベンチで重要な役割を果たしたことを明かした。

 「勝敗に関しては監督の責任。選手はよくやった。感謝している。簡単に負けない、いいチームになったと思う」と平野監督。敗れたものの、日本選手権準優勝は初めて。21年、そして今年と2大大会ではすべてベスト4以上と安定した戦いは出来ている。さらに上を目指し、チームの挑戦は続く。
 

続きを表示

2022年11月9日のニュース