巨人・大勢 OB石毛、西村超え新人最速20S 原監督も称賛「堂々と投げきっている」

[ 2022年6月5日 05:30 ]

交流戦   巨人2ー1ロッテ ( 2022年6月4日    東京D )

<巨・ロ>ロッテに勝利し雄叫びを上げる大勢(撮影・白鳥 佳樹) 
Photo By スポニチ

 新人守護神が新たな新人記録を手にした。巨人・大勢投手(22)が4日、ロッテ戦の9回に登板しわずか10球で3者凡退。両リーグ最速で今季20セーブ目を挙げた。60試合目での20セーブ到達は、新人では歴代最速。チームを3連勝に導いた右腕は、球宴ファン投票の中間発表でもセ・リーグ抑え投手最多票を獲得するなど、球界を代表する絶対的守護神へ成長を続ける。

 劇場版「鬼滅の刃」の劇中歌に乗り、背番号15が一塁ベンチから姿を現す。信頼感、安心感、そして期待感。多くの意味が込められた大きな拍手が、東京ドームを包んだ。9回。マウンドに上がった大勢はいつも通り、表情を変えず投球練習を繰り返した。

 「自分の名前がコールされた時に、喜んでくださるのは本当にうれしいこと。もっともっとワクワクさせるようなピッチャーになっていきたい」

 リードはわずか1点。相手は一発のある4番・レアードからだった。フォーク3球で追い込み、最後は154キロの直球で二ゴロ。続く岡は一転、2球連続直球で右飛に仕留めた。最後は安田をこの日最速タイの154キロ直球で空振り三振。わずか10球で3つのアウトを奪い、両リーグ最速の20セーブ目を手にした。

 60試合目での到達は新人ではプロ野球史上最速。球団でも93年石毛、13年西村の72試合を抜く最速到達となった。「自分はゴロアウトとか、守ってもらう投手。野手の皆さんに守っていただいて、20セーブ挙げられた」と感謝。原監督は「一発のある4番バッターというところからスタートしましたけど、堂々と投げきっている」と称賛した。

 もはやチームの顔だ。だが、西武・隅田の外れ1位だったドラフト会議後は、周囲からサプライズと言われていた。大勢もドラフト直後、自身のSNSで「こいつで大丈夫かと心配になっていらっしゃると思います」と素直な心境を語った。だが、これで24試合に登板し失敗はわずかに1。防御率1・90と結果で信頼を勝ち取った。球宴ファン投票では3日の中間発表でセ・リーグ投手最多の4万6784票。リーグを代表する抑えとして「大勢なら大丈夫」と認められる存在となった。

 「毎試合(映像を)見返して、修正できているところが今の結果につながっているのかなと思う」。次々と記録を塗り替える新人守護神に慢心はない。(小野寺 大)

 ≪日付でも最速≫ルーキーの大勢(巨)が今季20S目をマーク。新人の20S以上は昨年の栗林(広=37S)に次ぐ8人目。登板24試合目、チーム60試合目での到達はともに90年与田剛(中)の登板31試合目、チーム68試合目を抜く最速記録となった。なお、日付でも6月4日の到達は15年山崎(D)の6月24日を抜く最速だ。また、シーズン20Sの最速は17年松井裕(楽)のチーム54試合目。

続きを表示

この記事のフォト

2022年6月5日のニュース