阪神・大山 決勝打王の本領3号2ラン 今季24戦目初の決勝打「勢いつなげていかないと」

[ 2022年4月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6ー0ヤクルト ( 2022年4月22日    神宮 )

<ヤ・神> 初回2死二塁、大山は先制の2点本塁打を放つ (撮影・平嶋 理子)
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 猛虎の頭上に立ちこめていた暗雲を、大山のバットが振り払った。初回2死二塁だ。カウント1―2から、高梨の真ん中に入ったフォークを強振。左中間席に3号2ランを突き刺した。

 「先制点を取れたのは良かった。結果が出て良かったなと思う」

 ダイヤモンドを一周してベンチに戻ると、ホッとしたように笑みを浮かべた。今季は14日の中日戦から4番起用されたが、この日の試合前まで23打数3安打、打率・130と苦しんでいた。「4番」でようやく出た、今季初アーチ。打つべき人が打つべき打順で、本来の打棒を発揮した。3回2死でも中前打を放ち、9回には左翼線への打球で二塁を狙って憤死(記録は左越え打)も、今季初の猛打賞をマーク。エンジンが温まってきた。

 開幕以来、チームは投打の歯車が、かみ合わない試合が続いた。特に打線は気合が空回り、決定打を欠いた。それだけに大きな意味があった主砲の一撃。矢野監督からも「流れを持ってくるというところでは大きかった」と賛辞を受けた。

 昨季は両リーグトップタイの決勝打15度を誇った“決勝打王”。それがチームの「勝ちパターン」と言えた。今季24試合目にして、ようやく刻んだ初の決勝打は、矢野阪神が目指す「俺たちの野球」の展開を可能とした。

 万全な状態で試合に臨むため、体調管理に人一倍の気を使う。飲料水からこだわり「アースウォーター」というケイ素が高濃度で、内臓機能や睡眠の質の向上にも効果がある水を昨季から飲用。1月の沖縄自主トレでは免疫力維持のため大量の乳酸菌飲料を購入して後輩たちを驚かせた。健康マニアらしく、この夜はヤクルトを一気に飲み干した。

 「この勢いを明日もつなげていかないといけない。またゼロから始まりますけど、全員で戦っていけたら」

 猛虎の主砲として、反攻の呼び水となる。(長谷川 凡記)

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