【最優秀バッテリー賞】オリックス・由伸、あと「13」マー君の連勝記録に「コツコツと」来季挑む

[ 2021年12月15日 05:30 ]

イエローハットを被り笑顔の(前列左下から時計回りに)中日の木下拓、柳、オリックスの山本、若月(撮影・光山 貴大)
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 スポーツニッポン新聞社が制定する「2021年度プロ野球最優秀バッテリー賞 powered by DAZN」の表彰式が14日、東京都文京区の東京ドームホテルで開かれた。パ・リーグはオリックスの山本由伸投手(23)―若月健矢捕手(26)、セ・リーグは中日の柳裕也投手(27)―木下拓哉捕手(29)が選ばれた。木下拓は2度目の受賞で、他の3選手は初受賞。スポーツニッポン新聞社の小菅洋人代表取締役社長から賞金100万円などが贈られた。

 個人タイトルとはまた違う喜びがあった。今季は18勝で沢村賞や最多勝などのタイトルを総なめにした山本は「いつも冷静にリードしてくれて、実力以上の成績を引き出していただいた」と隣の若月に感謝。律義で礼儀正しい人柄がにじんだ。

 今季は絶対的なエースとして96年以来25年ぶりのリーグ優勝に貢献。向上心は尽きない。新たな勲章を手にした右腕は、尊敬する先輩の背中を追う。見据えるのは楽天・田中将が12~13年にかけて樹立した世界記録の28連勝超え。「負けないというのはチームにとってプラス。やっぱり勝ち続けることが一番いいこと。一試合一試合、コツコツやっていきたい」と力を込めた。

 150キロ超の直球に高速フォークとブレーキの利いたカーブで緩急を操り、5月28日のヤクルト戦からレギュラーシーズンは無傷の15連勝中。13年に無傷の24連勝を飾った田中将に見劣りしない成績で連勝記録更新に期待がかかる。金メダルに輝いた今夏の東京五輪でも同僚だった田中将については「後輩への気配りも素晴らしく、僕ら若手も思いきってプレーできた。僕自身そういった人間になれるように」と尊敬する。「あと13勝もあるので。とにかく一つずつ」と気を引き締める。

 連勝を続けた先に再び日の丸を背負う未来がある。23年3月の開催を予定するWBCだ。19年のプレミア12はセットアッパー、東京五輪ではエースとして活躍した右腕は、今季は9勝&46本塁打でメジャーを席巻したエンゼルス・大谷との共闘を熱望。「大谷さんは日本人選手のトップ。ぜひ同じチームでやってみたい。なかなかできない経験は財産になる」と目を輝かせる。

 今季の球界No・1投手が、バッテリーでの名誉もつかんだ。表彰ラッシュでも浮かれることはない。まずは来季に伝説級の成績を残し、世界一を目指す戦いへと向かう。(湯澤 涼)

 ▽楽天・田中将の28連勝 13年は開幕から白星を重ね、8月9日のソフトバンク戦でプロ野球新記録の開幕16連勝。同時に前年からの20連勝は松田清(巨人)、稲尾和久(西鉄)に並ぶプロ野球タイ記録となった。9月6日の日本ハム戦でプロ野球タイ記録のシーズン20連勝。開幕20連勝は大リーグの記録を101年ぶりに上回った。同13日のオリックス戦で前年から25連勝とし、1936~37年のカール・ハッベル(ジャイアンツ)を抜く世界新記録。5月から5カ月連続で月間MVPを受賞した。

 ≪由伸さまさま?若月「来年は違う投手と」≫初受賞の若月は「中嶋監督や同僚から“由伸のおかげで100万円か。由伸さまさまやな”と言われました。来年は違う投手とまたここに来たい」とはにかんだ。今季は16年から5年連続でかぶった開幕マスクを頓宮に譲ったが、7月から山本とコンビを組んで快投を引き出した。今季は68試合の出場で打率.214、5本塁打、16打点で課題は打撃力の向上。「全体的にレベルアップしないといけない。来年も必死にアピールして(山本と)組ませてもらえるように」と気を引き締めた。

 ▽最優秀バッテリー賞 投手だけではなく捕手にもスポットを当て、球界最高の「バッテリー」を表彰するもの。第1回は1991年で今年で31回目。投手はローテーションの一員として、または救援投手としてシーズンを通して活躍したことを最低条件とする。捕手はインサイドワークや盗塁阻止率、捕逸の少なさなどを基準に選考される。張本勲氏と有藤通世氏は第1回から選考委員を務める。

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2021年12月15日のニュース