【市川いずみの届け夏エール】聖地初勝利逃しても「野球を楽しんだ」阿南光の6人に拍手

[ 2021年8月17日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権第4日 1回戦   阿南光0-8沖縄尚学 ( 2021年8月16日    甲子園 )

<沖縄尚学・阿南光> 3回を終え、ベンチに戻るナインを迎える阿南光・中山監督 (撮影・後藤 大輝)
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 阿南光の新たな歴史をスタートさせたのは、たった6人の部員でした。18年に阿南工と新野が統合。翌19年に入学したのが現在の3年生です。「入学時から協力しなければ何もできなかったので自然と仲良くなった」。萩野太陽主将が話すように何をするにも6人全員の力が必要でした。試合のたびにグループLINEで『がんばろう』と気持ちを一つにしてきたといいます。

 大切にしてきたのは「野球は楽しい」という気持ち。1年時にのびのびと練習させてもらえたことが「僕たちの原点」と最上級生になっても、後輩が野球を楽しめるよう、率先して毎日、練習の準備をしてきました。

 チームの主体は2年生。沖縄尚学戦で先発出場した5人の後輩に萩野君は「思い切っていけよ」と声をかけました。2年生左腕・森山君をリードした岡川涼弥君も「自分のピッチングをしていこう」と何度もマウンドに駆け寄りました。

 阿南光として聖地初勝利はなりませんでしたが、中山寿人監督は「6人で線引きしたり水をまいたり3年間よく頑張った」とねぎらいました。敗戦にも「楽しかった」と口をそろえた6人。最後も「後輩には校歌を歌ってほしい」と同じ言葉を残し甲子園を後にしました。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。高校野球検定に合格し自宅に甲子園の土を飾るほど生粋の高校野球好き。

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2021年8月17日のニュース