亀山つとむ氏 盗塁死で流れ変わった5回 積極走塁は阪神の持ち味だが状況に応じた慎重さも必要

[ 2021年6月6日 05:30 ]

交流戦   阪神2ー10ソフトバンク ( 2021年6月5日    甲子園 )

亀山つとむ氏 

 【亀山つとむ 視点】試合の流れは一つのミスで変わってしまう。5回1死二塁での阪神・近本の盗塁失敗から流れはソフトバンクに傾いた。2点リードし、追加点を狙って、北條がバントで進めた。クリーンアップでの得点を期待する場面。スキが見えたのかもしれないが、リスクを背負ってスタートする状況ではなかった。

 昔も今も三盗には120%行ける確信が必要なのは変わらない。アウトになってチャンスをつぶすと、ダメージは尾を引く。一つでも前の塁を狙う積極走塁は今季の阪神の持ち味ではあるが、優勝を争う終盤戦に向けても、状況に応じた慎重さがこれから求められてくる。5回に1点取っていたら、全く違う展開になっていた。

 7回にはミスも絡んで、ソフトバンクに無安打で決定的な2点を追加された。バスターで揺さぶるなどの試合巧者ぶりに加え、凡打でも全力疾走し、エラーを引き出した柳田の姿勢などは、チーム自体が若くなった阪神は見習うべきところだ。結局は最後の最後までやるべきことを徹していけるか。イチかバチかの特別なプレーが必要というわけではない。

 それでも、この点差が力の差だと感じる必要はない。1勝1敗。互角だ。悪いところはしっかり反省して、同じ失敗を繰り返さないこと。これに尽きる。勝ち、負け、勝ち、負けのオセロ状態が続いているが、負けても次の試合で修正できているから連敗がない流れになっている。これは継続したい。ミスをいかに生かすか。阪神はチャレンジする立場。消極的になっちゃいけない。(スポニチ本紙評論家)

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2021年6月6日のニュース