広島クロンに「緊急メス」が入った OP戦打率・063の助っ人に右肩下がる悪癖指摘

[ 2021年3月24日 05:30 ]

佐々岡監督の横でティー打撃に励む広島・クロン

 広島のケビン・クロン内野手(28=ダイヤモンドバックス)の打撃フォームにメスが入った。23日の全体練習(マツダ)で、スイングの際に右肩が下がるクセを首脳陣が指摘。打率・063に終わったオープン戦を踏まえ、開幕後の矯正ポイントに挙げた。開幕は3日後。期待の新助っ人は「打点を挙げ、チームの勝利に貢献したい」と意気込んだ。

 珍しい光景だった。快晴の本拠地で行われた全体練習。朝山、迎両打撃コーチに佐々岡監督も加わり、右肩を下げるジェスチャーを交えながら、ティー打撃に励むクロンに声を掛けた。助言を受けた本人はこう説明する。

 「技術面のアドバイスをもらったわけではない。シーズンに入る前の対話や全体的な流れなどを、あそこのグループでしていた」

 ただ、その後のフリー打撃では右肩を下げないスイングを意識して心掛け、サク越え本数も心なしか増えたように映った。迎打撃コーチは「緊急にどうこうではなく、直した方がいいよね…ということを、頭の中に入れようという意味合い」と前置きして続ける。

 「マイナーでは打っている。彼のキャリアをリスペクトしつつ、僕らが気付いたことの改善もやらないといけない。現実にオープン戦は苦しんだし、結果を残すために」

 クロンの特徴は米国時代の映像で把握していた。一般的には「打てるところが限られ、率が残りにくい」(迎コーチ)スイング。それでも19年の3Aで打率・331、38本塁打の実績があり、首脳陣はオープン戦の内容を見た上で助言のタイミングを計っていた。

 「多くの日本人投手と対戦できたことは収穫。結果に関しては難しい部分があったが、得たものをいい形でシーズンにつなげたい」

 32打数2安打、打率・063に終わったオープン戦を、クロンはそう振り返る。2安打はいずれも本塁打ながら、佐々岡監督は「当たる確率が低い。長打を期待しているし、結果を残してもらわないといけないから」とメスの理由に言及した。

 「まずは(数多く)打点を挙げたい。それがチームのためになるし、何より勝利に貢献できると思うので」

 目前に迫った開幕に向け、気持ちを高める大砲候補。迎コーチはクロンの心情を察して「異国でのプレー。最初はどうしても自分を信じたい気持ちの方が強い」と理解を示す。結果が出ればOK。そうでなければ、話し合ってじっくり…と。開幕後の爆発に期待だ。
 (江尾 卓也)

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2021年3月24日のニュース