福島敦彦氏　高校生ではトップクラスの両校　智弁学園「攻めの姿勢」が初回の4点に

第93回選抜高校野球大会第４日第２試合　1回戦   智弁学園8ー6大阪桐蔭 （ 2021年3月23日    甲子園球場 ）

福島敦彦氏
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　【福島敦彦　追球甲子園】1回戦で対戦するにはあまりに惜しいカード。ミスもあったが両校の選手ともにスイングスピード、打球の速さ、守備における打球への一歩目を含めた動きは高校生ではトップクラスのものだった。

　智弁学園は初回無死一塁からバントの構えを見せず強攻策（結果は死球）に出たことからも分かるように5点以上の勝負を予想し「攻めの姿勢」を示した。結果的に大阪桐蔭の松浦君の立ち上がりを突くことに成功し大きな4点となった。

　大阪桐蔭の各投手が自身の立ち上がりに苦しんだように、大舞台では、なおさら自己を制御するのは難しい。その中で智弁学園の左腕・西村君は5回まで1安打投球で全国の高校生の参考になる投球だった。真っすぐは130キロ台だがキレがあり、緩い球の出し入れも抜群。投球術、テンポ、緩急を使う――を丁寧に実践していた。

　大阪桐蔭も後半はさすがの攻めだった。8、9回の併殺も紙一重で「球運」が智弁学園に傾いたのだろう。

　（報徳学園、慶大、中山製鋼元監督）