エンゼルス・大谷 「1番・投手」で164キロ&9戦連続安打!米国もビックリ漫画みたいな二刀流

[ 2021年3月23日 02:30 ]

オープン戦   エンゼルス1ー4パドレス ( 2021年3月21日    ピオリア )

<パドレス・エンゼルス>3回、メジャー自己最速となる164キロを投じる大谷(共同)
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 漫画みたいな二刀流がメジャーでも実現した。エンゼルスの大谷翔平投手(26)が21日(日本時間22日)、パドレス戦で「1番・投手」として出場。米4年目で初めて投打同時にプレーした。渡米後最速の101・9マイル(約164キロ)を投じるなど4回を2安打1失点、打っては2安打1四球で9戦連続安打。レギュラーシーズンでは1901年を最後に出ていない本格的な「1番・投手」として、大谷がまたも全米を驚かせた。

 メジャーの水に慣れた米4年目。手術を受けた右肘と左膝の不安も消えた。大谷にしかできない「1番・投手」をやり抜いた。

 試合開始5分前に投球練習を終え、先攻の1番打者で初回の打席へ。18年サイ・ヤング賞の左腕スネルの2球目を中前に運んだ。

 「(打撃で活躍すれば)自分の役割をやったという自信もある。よりアグレッシブにマウンドでも攻められる」。バットで自らを乗せ、マウンドでは3回には主砲タティスに164キロをマークした。

 マドン監督が1番起用の意図を明かした。「攻撃の機会を最大化するため。投手が試合で打つのは珍しくないが、違いは1番を打つこと」。大谷は9試合連続安打で打率・636。新たなオプションを真剣に試した。

 メジャーきっての知将は「今季中に(リアル二刀流が)起こることを期待している」と語る。指揮官と定期的に意見を交わしている大谷も「シーズンでやる可能性もある。ぶっつけ本番でやるよりは、ある程度流れも分かっている方がいい」と予行演習を歓迎した。

 レギュラーシーズンでは「1番・投手」で先発出場し、他の守備位置に就かなかったケースは1901年ジャイアンツのジム・ジョーンズが最後。あのベーブ・ルースもなし得ていない。投打に加えて走力も備えるからこそ可能となる。米メディアの「今年、二刀流として見せることを楽しみにしているか」との質問に、大谷は「そうなるように頑張りたいなと思ってこっち(米国)に来た。頑張りたい」と言い切った。(ピオリア・笹田幸嗣通信員)

 【メジャーの120年前の「1番・投手」】1901年9月30日のカージナルス―ジャイアンツ戦のダブルヘッダー第2試合で、ジ軍のジョーンズが「1番・投手」で出場。5回を6失点完投で敗戦投手となり、打者では4打数無安打に終わった。ジョーンズの本職は外野手で、メジャー通算3年間で出場90試合のうち、投手での出場は2試合のみだった。

 ≪米メディア「不条理だ!!」「伝説的快挙」≫大谷の「1番・投手」での活躍に、米メディアからも感嘆の声が相次いだ。スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」でエンゼルス番を務めるファビアン・アルダヤ記者は「大谷は同じ日に投手で102マイル(発表は101・9マイル)を計測し、打者で3度出塁した。Absurd(不条理だ)」と衝撃を受けた様子。地元紙ロサンゼルス・タイムズのジャック・ハリス記者は「投手で1番打者?大谷がいとも簡単そうにやってのけた」という見出しで報じ、「新たに伝説的な快挙(fabled milestone)を成し遂げた」と伝えた。

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