阪神ドラ1佐藤輝“1本締め” 北川コーチ「放り込め」指令に一発打ち込みキャンプ打ち上げ!

[ 2021年3月2日 05:30 ]

<阪神キャンプ>バットを手に笑顔の佐藤輝(撮影・椎名 航)
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 阪神は1日、沖縄・宜野座キャンプを打ち上げた。主役を張ったのは規格外のパワーで話題を独占し続けたドラフト1位ルーキーの佐藤輝明内野手(21=近大)で間違いない。この日のフリー打撃でも最終組で右中間へライナーで放り込み「一発締め」した。春季キャンプは異例の無観客。5日のソフトバンクとのオープン戦(ペイペイドーム)から、いよいよ虎党の前でその打棒を披露する。

 よ~し、最後は放り込め――。北川打撃コーチの大声に力んだのか、佐藤輝はそこからファウルを4つ…。一つの見逃しがあったため指令から6球目にようやく弾丸ライナーで右中間へ放り込んだ。最終日の最終組の大トリ。この日3本目(42スイング)の柵越えで全体のフリー打撃を終える「一本締め」となった。

 「(スタンドに)入れないと終われない雰囲気だったので。はい、狙いました」

 主役を張った29日間だった。キャンプインからバックスクリーンを直撃させるパワーで先輩たちに“あいさつ”すると、初の対外試合となった9日の日本ハム戦で本塁打を含む3安打デビュー。紅白戦も含む今春実戦は全11試合に出場し、41打数15安打の打率・366、9打点、2本塁打と大暴れした。28日のヤクルト戦では“通天閣打法”をイメージさせる大飛球二塁打まで飛び出し、漫画「ドカベン」の世界に出てきそうな規格外の存在感。加えて、大リーガーを彷彿(ほうふつ)とさせる三塁守備など、めまぐるしいストーリー展開を堂々と演じきった。

 「長打力、振るのはプロでも負けていないし、しっかり捉えられればホームランにできるのは分かった。一番(の印象)は、やっぱり練習試合の最初の1本ですね。でも、まだまだ捉える確率が足りていないのも分かりました」

 外野守備だけでなく、三塁守備の評価も上々で守るポジションも大注目される。今キャンプ最後のメニューとなったシートノックでは最初、糸井、高山と左翼に就き、その後は三塁にも回って大山と並んだ。

 矢野監督も悩んでいる。「左翼と三塁の両方を練習させるよ。まだ試合(公式戦)も出ていないし1本もヒットを打ってないし評価できない。開幕スタメン? それはアイツ自身がつかむもので、こっちが使いたいと思わせてくれれば十二分に可能性はある」。井上ヘッドコーチは頼りにしている。「始まりから終わりまで騒がれる中で動じずに完走できたのは大したもの。チームの命運を分けるのは佐藤輝の働きだとわかった」。5日のソフトバンク戦から始まる有観客のオープン戦。虎党はまもなく、この怪物を目の当たりにすることができる。 (畑野 理之)

 《ドラ6中野 開幕スタメンに名乗り「1年目から勝負の年」》
 無事に自身初のキャンプを終えたドラフト6位・中野(三菱自動車岡崎)が、改めて開幕スタメンに名乗りを上げた。「社会人からなので、1年目から勝負の年だと思っている。オープン戦で結果を出して、開幕スタメンを取りたい」。1軍で通用するレベルであることを証明した1カ月。特に評価を高めたのが実戦向きの打撃で、紅白戦を含めた実戦11試合は19打数7安打の打率・368。数字では同1位の佐藤輝(同・366)を上回った。「打撃ではいい結果が出せた。これからは守備。課題も多いし、もう一度考えなおして取り組む」。佐藤輝に負けじと「3・26」を目指す。

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