若い力の台頭で見えた常勝元年 西勇に亀山氏がインタビュー「ソフトバンクに似てきた」

[ 2021年2月6日 08:30 ]

エルボータッチする亀山つとむ氏(左)と西勇輝<撮影・成瀬 徹>※撮影のため、特別にマスクを外して写真撮影しました      
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 キャンプ恒例のスポニチ評論家陣による阪神選手インタビュー。コロナ下での沖縄キャンプなので距離を取って、マスクをつけて、時間も決められての制限が設けられましたが、西勇輝投手(30)が亀山つとむ氏に新しく若い今年のチームをアピールしました。

 亀山 コロナ下でのキャンプがスタートした。第1クールは天候に恵まれたのが何よりだが、でも、やっぱりいつもとは雰囲気が違うね。

 西勇 ファンの方がいなくて本当に残念です。でも練習は集中できています。

 亀山 新外国人選手もまだ来ていないし派手さがなくて、あと静かなところとか、なんか秋季キャンプみたい(笑い)。

 西勇 本当ですね。雰囲気はそんな感じもしますね。でも若い子がたくさん来ていますし、見てあげてください。

 亀山 能見と藤川がいなくなって、チームでは年長の部類に入ってきた。そのあたりの変化はある? 俺がどんどん引っ張るぞ…なのか、若いやつがもっと前に出ていけよ…なのか。

 西勇 言葉で言うのも責任が生まれますし、態度で示すのも行動が大事になってきますので、そこらへんは自然体でいつもどおりやっていければ。不安とかあるのが分かったらしっかりと見てあげたいですし、後輩がやりやすい環境をつくってあげるのが先輩の役目だと思っていて、厳しくやるというよりか、当たり前のことを当たり前に言ってあげられる先輩でありたいなと思っています。

 亀山 最初に言ったようにいつもと違うキャンプインなので、自分でできる選手はいいですが、緊張感が薄くなる選手も出てこないとも言い切れない。

 西勇 プロなのでどんな環境でもやらないといけないし、フワッとしちゃう選手がいたら勝手に下に落ちていくだけだと思いますし、もしそういう若い子がいたら声をかけてピリッとさせられるようにはしたい。

 亀山 さて西投手と言えば開幕投手の最有力候補だが、でもここまでの発言を聞いていると自分は3番手、4番手でいいんだと伝わる。

 西勇 そうなんです。若い選手が名乗りを上げて、僕らを押しのけてくれるくらいがいい。

 亀山 自分がどれくらいの位置にいるのがチームにとっていいのか見えているからこその発言だと思う。

 西勇 そうですね。キャンプの時期は先発の数が多い方がいいですしね。どんどん出てきてくれた方がうれしい。

 亀山 投手は西勇、捕手は梅野、野手は大山…。彼ら世代が中心となって新しいチームになっているように見えている。

 西勇 みんなで話し合いながら、上の人たちも若い子たちも一緒に一つになって前へ進めていきたいですね。いろいろな意味で変わる年だと思いますし、5年後も10年後も強いタイガースでいられるようにしたい。

 亀山 昨年の日本シリーズで巨人がソフトバンクに4連敗。その巨人に敗れた5球団は…ってよく言われるのが悔しいが、いま西選手が言ったように、なかなかすぐには難しくても、パ・リーグ球団に追いついて追い越せるようにタイガースもどこかでチームが変わっていかないといけない。

 西勇 ソフトバンクは若い選手が多いですし、タイガースもいまは若い選手が出てきて似てきていると思っています。

 亀山 今年のキャンプは本当に思い切ってガラリと変えてもいいと思う。

 西勇 そうですね。ぼくも楽しみなんです。

 亀山 タイガースに来て3年目のシーズン。1年目より2年目、そして今年はさらに期待が大きくなっている。

 西勇 することは変わらないので、まあ、結果を出し続けていきたいですね。

 亀山 投手も打席に立つDH制のないセ・リーグの野球はもう慣れた?

 西勇 パ・リーグで10年間やってきましたが、その前は普通に打席に立ってましたので。

 亀山 今シーズンもセはDH制を採用しないことになった。でも西勇投手は誰よりもバッティングを楽しんでいるもんね。

 西勇 野球をすることは楽しいですし、打つことも走ることもいろんなことを積極的にやっていきたいと思っています。たくさんの子どもたちも僕らのプレーを見ているわけですから、2アウトだからもうバットを振らないで三振するとか、そういうのはしたくないんです。

 亀山 2年目の西純矢が親戚。

 西勇 おじいちゃんが一緒みたいです。

 亀山 親子や兄弟っていうのは野球を始めた頃からそういう目で見られてプロ野球への入り口が広くなっているのでよくあるけど、親戚で、しかも遠縁の親戚ってなるとそれぞれが別の環境で野球をやってきて、成長して、プロのレベルになって、しかも同じ球団でプレーするっていうのは本当に珍しい。

 西勇 良かったと思っています。

 亀山 今回2人とも沖縄へ来て、昨年よりは一緒にいる時間も多い。

 西勇 1月の合同自主トレの時から(純矢が)べったり引っ付いてきてますね。いい球を投げていますし、楽しみです。ローテーションをつかめるくらいのパワーはありますし、あとは細かいコントロールだとかまだまだ課題はたくさんありますが、2年目としては十分できています。

 亀山 先輩として、例えばどういうことを言ってるの?

 西勇 苦しいことを継続してやり続けることが、強くなれることにつながると思っています。たとえばですけど、早起きが苦手なら絶対にこの時間に起きるぞって決めるとか、何か苦しいことを一つ決めてやりきることが大切だと。野球で苦しいことを乗り切る時のきっかけとなると思います。

 亀山 では最後に、ここに来られなかったファンのみなさんに意気込みを。

 西勇 意気込みは昨年までと変わりません。優勝という思いも年々強くなっていますし、喜びをわかちあいたいし、僕自身、日本シリーズの経験がない。大舞台をこのチームのみんなとつかみ取りたいです。

 ○…昨年シーズン半分の60試合以上に先発出場した日本人野手の平均年齢(20年の満年齢)を見ると、ソフトバンクは29.3歳で、該当する6人中20代は3人<甲斐(28)、周東(24)、栗原(24)>。一方阪神は29.2歳で20代は5人中、39歳の糸井以外の4人<梅野(29)、木浪(26)、近本(26)、大山(26)>だった。なおセの他チームは

 平均年齢 20代内訳

 巨28.9歳 7人中4人

 中29.4歳 5人中3人

 D29.4歳 5人中2人

 ヤ29.7歳 6人中4人

 広30.6歳 8人中3人

阪神は平均年齢、20代割合とも、主力に若手の台頭が見て取れる。

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