トヨタのルーキー長谷部はあの偉人の子孫 149キロ直球と明晰な頭脳で「解体新書」超えるインパクトを

[ 2021年2月6日 05:30 ]

トヨタ自動車の新人・長谷部銀次投手(右)。左は佐藤勇基内野手。
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 文字通り、新たな一歩を踏み出そうとしている。慶大の最速149キロ左腕・長谷部銀次投手が、今春から社会人・トヨタ自動車の一員としてプレーする。

 「ストレートは大きいですが、その中でもマウンドで堂々とバッターに向かえるのが強み。自分らしさを変えずにいきたい。チームの目標である都市対抗優勝に貢献したい。任されたイニング、バッターに対しいかに抑えるかということを詰めていきたい」

 最大の武器は右打者の内角にクロスファイヤー気味で食い込む、140キロ後半のストレート。集大成として臨んだ昨秋のリーグ戦では、4試合5回1/3を1安打無失点に封じた。

 強豪チームへの入社が決まったとはいえ、順風満帆な大学野球生活ではなかった。2年秋に腰痛分離症の手術。4年春のリーグ戦も2試合1回1/3で被安打4と苦しんだ。転機は就任1年目だった堀井哲也監督からもらった「チームのために投げられるピッチャーが強い」というアドバイス。球速と奪三振を追い求める従来のスタイルは、エゴであったことを改めて気付かされた。「どうすれば抑えられるかを考えるようになった」。投手としての価値観が180度変化したことが、ラストシーズンの躍進につながった。

 1月13日に本格合流して以降は、インナーを重点的に強化する日々を過ごす。昨秋のリーグ戦終了を待って、左肘のクリーニング術を決断。リハビリは順調に進み、30~40メートルのキャッチボールができるまでに回復した。「こういう時期だからこそ変えることができる」。インステップが特長の一つだったが、現在は捕手方向へ真っすぐ右足を踏み出す新フォームへの修正を試みる。

 超難関とされる慶大総合政策学部のAO入試を突破した秀才は、母方の先祖に江戸時代の蘭学医で「解体新書」を著した杉田玄白を持つ。杉田玄白を初代とすれば、長谷部は9代目。偉大なDNAを受け継ぐことに「それがきっかけで自分を見てくださる人がいるのはありがたい。野球に精進して、恥ずかしくないプレーをできるように頑張ります」と気を引き締める。クレバーな頭脳もまた、大きな武器。強力な投手陣に加わるべく、まずは実戦復帰を目指す。

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