東大で見せた桑田流指導「量より質」+「考える野球」叩き込んだ

[ 2021年1月12日 06:30 ]

東大野球部を13年から2年間指導した桑田氏
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 巨人の今季コーチングスタッフに、OBの桑田真澄氏(52)が入閣することが11日、分かった。近日中にも球団から発表される。背番号18を背負い、巨人のエースとして活躍した同氏。退団後、東京六大学野球リーグの東大で特別コーチを務めた。

 13年1月。当時44歳だった桑田氏の東大特別コーチ就任が発表された。月に1、2度の割合での指導。リーグ戦46連敗中だった東大は既に元中日の谷沢健一氏、元西武の今久留主成幸氏が指導に当たっていた。桑田氏と今久留主氏はPL学園時代にバッテリーを組んだ縁で「勝つ野球」を東大生に叩き込むことになった。

 桑田氏は就任にあたり「大学生に教えることは非常に楽しみだし日本に最初に野球が伝わったのは東大、当時の一高ですから。ぜひやりたいと思いました」と話した。09年には早大準硬式野球部の練習に参加し、打撃投手を務めるなど学生の指導に当たっていた。「学生ですから、練習時間は限られる。いかに効率的に技術、体力を身につけることができるか。それは、自分が野球をしてきた中で求めてきたことと同じ」とした上で「量をたくさん、ではなく質。それに野球は頭を使わないといけない。ある意味、(東大は)一番頭の使える選手たちですから」と指導に当たった。

 初指導は同1月9日だった。マウンドから61球の投球でお手本を実演し、メジャー時代にイチローを空振り三振に斬ったカーブ「レインボール」も披露。直球はきれいな縦回転、スライド、シュート気味と投げ分けた。リリースポイントで指の力の入れ方を工夫するだけで「直球も3種類の変化球になる」とハイレベルな技術を伝授。午後には東大校舎で座学を行い、秀才軍団に頭を使うことの重要性を示した。「野球は体力、技術と思われがちだが、考えることが大事。野球界にはあしき伝統が受け継がれている。常識を疑い、発想を転換して、いいフォームをつくろう」。沢村栄治からダルビッシュまで、名投手の投球フォームを写真で分析しながら、それぞれの特徴を指摘した。「どうやったら(打者を)打ち取れるか。彼らはできないのではなく知らないだけ。方程式は公式を知らないと答えは出ない。方法を知るきっかけを与えたい。日本で一番考えられる集団。根性とか気合で野球って結果を残せないんだよと伝えたかった」。桑田流指導の一端が見える言葉だった。

 「体力、技術は他の5大学から落ちるのは目に見えて分かること」と学生には「考えて野球をすること」を繰り返した。リーグ戦では思うような結果が出なかったが「セオリー通りの野球をやっていては(勝つことは)難しい。結果を変えたければ行動を変える」と粘り強く指導を続け、約2年間の任期を全うした。

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