男は黙って身一つで勝負! 広島ドラ1位栗林は超身軽入寮

[ 2021年1月9日 05:30 ]

自室から手を振る広島・栗林(撮影・河合 洋介)
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 広島の新人7選手(育成を含む)は8日、広島県廿日市市内の大野寮に入寮した。6日に広島入りし、PCR検査で新型コロナウイルスの陰性を確認する厳戒態勢。ドラフト1位・栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)は、新妻と広島での新婚生活を見据えた「超身軽入寮」となった。身軽さは新婚ならでは、だ。栗林は洋服など生活必需品だけに絞られた荷物を手に、大野寮に入った。その姿は、思い出の品をカバンいっぱいに詰め込んだ同期とは対照的だった。

 「僕は寮にいる期間が短いと思うので、思い入れのある物は、奥さんが(広島に)来たときに持ってきてもらいます。寄せ書きとかそういうものは持って来ていない。必要最低限。遠征に行くぐらいの感じしか持って来ていません」

 昨年7月に結婚した沙耶さん(24)を愛知に残し、単身で広島入りした。新婚生活を広島で再開させるには、1軍に定着して退寮を認められることが条件となる。シーズン開幕前の同居を見据えて荷物を最小限に抑え、愛妻からも「(広島に引っ越すときに)1軍の選手でいられるようにね」と送り出された。とはいえ決して浮ついた気持ちはない。不退転の決意の表れだ。

 「せっかく寮に入った。野球に集中できる期間にしっかりとやりたい。自主トレとキャンプは本当に大事だと思う。そういうところをしっかりと考えて、一日一日を無駄にしないようにやっていきたいなと思います」

 だからこそ小さな荷物の中には佐々岡監督の直筆サインが書かれたドラフト会場の入場パスを潜ませた。「指名あいさつのときに佐々岡監督からいただいた。自分の原点。ここからプロ野球選手としての道が始まった。落ち込んだときに見て、もう一回やり直すつもりでやっていきたいと思います」。原点も胸に、飛躍を期す。

 与えられた104号室は、前田健太(現ツインズ)、大瀬良らが暮らした出世部屋。昨年の新人王・森下のあとを引き継ぐことになった。その好待遇も期待の大きさを物語る。

 「プレッシャーを感じています。ドラフト1位だったり、去年の森下投手の活躍だったり…。縁起のいい部屋までいただいて、自分にとって本当にうれしいこと。期待を裏切らないように頑張りたいなと思います」

 入寮の身軽さとは裏腹に、大きな重圧を背負いながらの生活が始まった。

 〇…大野寮に入寮した新人7選手は、オンラインで行われたNPBの新人研修会を同寮内で受講した。栗林は、野球の競技人口減少に触れた侍ジャパン・建山投手コーチの講義を振り返り、「自分の少年野球チームも3チームが合併して1つになった。この間参加した野球教室も参加数が減った。自分のプレーなどで一人でも多くの人が野球をやりたいと思ってもらえればうれしい」と決意した。

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2021年1月9日のニュース