三重・いなべ総合学園 バッテリーでプロ目指す 代替大会「圧倒的に勝ちたい」

[ 2020年6月13日 05:30 ]

バッテリーそろって今秋ドラフト候補に挙げられるいなべ総合の伊東邑航(左)、田所宗大
Photo By スポニチ

 バッテリーで同時に夢のプロ入りを目指す。今秋ドラフト候補のいなべ総合学園(三重)の伊東邑航(ゆうこう)投手、田所宗大(そうだい)捕手が12日、同校で練習後に取材に応じ、ちょうど1カ月後となった来月11日に開幕する県独自の代替大会と最高峰の舞台への熱い思いを口にした。

 伊東は最速145キロを誇る右の本格派。体の使い方が柔らかく、少しの補助があれば両肘を背中で付けられるほどだ。ソフトバンクの千賀を尊敬し、動画でも研究を続けているが「無意識に(フォームが)千賀さんの足の使い方と同じになっていた」と、センスの高さを感じさせる。夏の選手権大会が中止になった先月20日には「甲子園に出ることは小学校からの夢だったので実感が湧かなかった」と率直な思いを吐露したが「プロに入ることではなく、10年以上長く活躍することが目標。代替大会は圧倒的に勝ちたい」と力強い。

 田所もまだ中央球界でこそ無名の存在だが、実力は確かだ。高校通算30本塁打を誇り、逆方向に強い打球を飛ばせる長打力と、正確なキャッチング、スローイングを武器とする。二塁送球到達タイムも1・79秒と一級品。監督歴40年目で、県内現役監督として最多勝の尾崎英也監督(61)をもって「今まで指導してきた中でも1、2を争う力を持っている」と高い評価を受ける。キャプテンシーもあり、伊東も「信頼しかない。誰も気がつかないようなことまで気を配っている」と話す。下級生の時から先輩投手の性格を熟知するために、昼食を一緒にとってもらうようお願いしていたという熱心さに加え、昨秋の自校グラウンドでの練習試合で、ヤクルトの山田哲のフォームを“完コピ”宣言して打席に立ち、右中間の最深部へ本塁打を放った逸話を持つ女房役は「代替大会は優勝しか狙っていません。プロに入って、いつか日本一になりたい」と高校では果たせなかった夢を思い描いている。

 すでに国内のほぼ全球団が視察済み。この日視察に訪れたオリックスの谷口悦司スカウトも「将来性を感じました」と話した。同学年のバッテリーが高校から直接、同時にプロ入りとなれば、82年阪神の佐藤文男&月山栄珠(印旛)、87年中日の近藤真一&長谷部裕(享栄)など数例しかない。「一緒に行きたい」と“ニコイチ”での大願成就を熱望する2人。後世に語り継がれるであろう代替大会で、その名を轟かせるつもりだ。

 ◆伊東 邑航(いとう・ゆうこう)2003年(平15)1月5日生まれ、三重県四日市市出身の17歳。県(あがた)小1年時から「あがた野球少年団」で野球を始め、大池中では軟式野球部に所属。いなべ総合では1年秋からベンチ入りし、2年秋から背番号「1」。最速145キロの直球とカットボール、スライダー、カーブ、縦スライダーを操る。家族は両親と姉、弟。1メートル84、88キロ。右投げ左打ち。

 ◆田所 宗大(たどころ・そうだい)2002年(平14)4月29日生まれ、三重県員弁郡東員町出身の18歳。笹尾東小1年時から「笹尾東スポーツ少年団」で野球を始め、東員第二中では「桑員ボーイズ」に所属。最高成績は全国ベスト16。いなべ総合では1年秋からベンチ入りし、1年秋から正捕手。高校通算30本塁打(2020年6月12日現在)。家族は両親と妹。遠投120メートル、二塁送球タイムは1・79秒。1メートル79、85キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2020年6月13日のニュース