阪神・矢野監督 6・19開幕へ「僕たちの戦う姿で笑顔や元気を届けていきます」

[ 2020年5月26日 05:30 ]

ナインを前に話す矢野監督(球団提供)
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 プロ野球は25日、オンラインで12球団代表者会議を開き、新型コロナウイルスの感染拡大により延期していた開幕日を6月19日に正式決定した。約3カ月遅れの開幕でレギュラーシーズンは143試合から120試合に削減。当面は無観客での開催で日程は近日中に発表される。この日、緊急事態宣言が全国で解除されたことを受け、国内プロスポーツの先陣を切る。阪神の矢野燿大監督(51)は、ファンに笑顔と元気を届けたい意向を改めて示した。

 ようやく目指すべき一筋の光が見えた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で当初の3月20日から約3カ月遅れでの開幕が決定。確実に気持ちのスイッチが入れ替わった矢野監督は、球団を通じて、改めて力強い決意を明かした。

 「正式に開幕日も決まり、まずは残りの期間で、チームとして自信を持って臨める準備を精いっぱいやっていきます」

 春季キャンプイン前日の1月31日に1時間以上に及んだ全体ミーティングで選手らに熱いメッセージを送り、リーグ優勝から「僕は日本一になると決めている」と85年以来の日本一奪回を宣言した。だが、予期せぬコロナ禍に見舞われ3月26日にチームの活動は停止。国難とも言われる非常事態に、プロ野球も巻き込まれた。

 そんな自粛生活を強いられる我慢の時間を過ごす中で、新たな覚悟も芽生えた。集合練習が再開された今月23日には選手に対し、ため込んでいたエネルギーを言葉に代えて発信。「日本一になるだけじゃなく、こういうことがあった中でファンにパワーを与えたい。苦しい時こそ楽しく、そういう姿でファンに元気や勇気を伝えることができると思う。そういう姿を新たに見せていきましょう」と再度、使命感を植え付けた。

 この日、日程は発表されなかったが、開幕は敵地で巨人との対戦が有力視される。宿敵打倒からの開幕ダッシュに向け、24日には活動再開後初めてのシート打撃を実施。6月2日から14日まで練習試合が組まれたことから今後は実戦練習主体に移行する。

 もちろん、第2波警戒も忘れていない。「まだ完全に新型コロナウイルスが終息したわけではないので、引き続きチームとして細心の注意を払っていきます」と、チームとして今後も感染予防対策に万全を期す。

 「3密」を避け、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保を徹底するが、虎党との心の距離は“密着”したまま絶対に離さない。「みなさんと一緒にこの困難を乗り越え、僕たちタイガースの戦う姿で、みなさんに笑顔や元気を届けていきます」。野球を通じスポーツの力を伝えることを約束。一丸で2020年に挑む矢野阪神が、歩を進めるスピードを上げる。
(山本 浩之)

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2020年5月26日のニュース