元阪神・田上氏が球界のアップデートに奮闘“大学”開設

[ 2020年5月15日 05:30 ]

現在は草野球チーム「天晴」に所属する田上健一氏
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 異色の経歴を持つ元虎戦士が“地殻変動”を起こすべく奮闘している。10年~15年にタイガースに在籍したOBの田上健一氏(32)が、1日にオンラインサロン「天晴ベースボール大学」を開設。選手時代やデータアナリスト、さらにはYouTuberとしての様々な経験を生かし、野球界のアップデートに取り組んでいる。

 「地域、組織、チームに関係なく、とにかく野球が好きっていう人に、サロンに集まってもらいたいです。そこで野球界が抱える問題を解消したり、どんなイベントをすれば野球界が盛り上がっていくかを考えていきたいですね」。選手時代のクールな一面とは裏腹に言葉は熱っぽい。“学内”を少し覗けば、その真剣度が伝わる。

 同サロンは所属する草野球チーム「天晴」のメンバー、竹俣惟人氏と中心になって運営。主にオンライン上で2人が講師を務めて授業を行い、イベントを企画していく。指導者を育成する「教育学部」や球団経営を学ぶ「経営学部」、セカンドキャリアに関する「商学部」、「工学部」、「栄養学部」など学部は20にも及び、専門的な分野を必要に応じて学ぶことができる。

 これほど幅広い野球に関する知識の提供は、田上氏の唯一無二のキャリアが可能にさせる。09年育成ドラフト2位で入団し、俊足を武器に6年間プレーし通算123試合に出場。引退後は16年から2年間、オリックスのスコアラーを務め、18年からはスポーツデータ配信会社「データスタジアム」でプロのアナリストとして、プロ、アマを問わず分析にあたってきた。18年にはHonda時代の木浪に注目していたといい「すごい選手がいて、それが木浪だった。絶対にプロに行くと思って、その年のドラフトは木浪がどこに行くかしか注目してなかったぐらい」と若虎のエピソードも明かした。

 昨年6月からは草野球チームの強豪「天晴(アッパレ)」に入団し“現役復帰”。「プライドジャパン甲子園大会」で準優勝を果たし、久々に聖地の土も踏んだ。天晴のメンバーが出演するチャンネル登録者数50万人超えの野球系YouTubeの雄「トクサンTV」や同20万人超えの「クニヨシTV」にも出演。今年2月からは番組・動画制作会社に入社し、3度目の転職を果たした。現在は、クニヨシTVで週に2本の新作動画を1人で撮影・編集し配信。最近では自宅庭にブルペンを作ったり、現役時代に使用した野球ノートを公開するなど、様々な企画で再生回数は1日で5万回を超えるのが当たり前だ。

 サロン開設の根底には、身を持って感じた成功体験がある。引退後、運動生理学などを学べる大学に入学し専門知識を蓄積。「知らないことが多すぎた。現役より良いプレーができるんじゃないか」と思い立ち草野球の世界に飛び込んだ。実際、学んだことを打席で体現すると進化を感じられた。「めちゃくちゃパフォーマンスが上がって。軟式でもバックスクリーン入るんだと。鳥谷さんが言っていたことなどがようやくその時に理解できましたね」。だからこそ、若年層に対しては、必要な知識を理解した上でプレーすることの意義を伝えていく。

 「最近は野球界は人口減、体罰、セカンドキャリアの不安だったり、マイナスな面を耳にするようになってますよね。その中でいろいろ変えていければ。僕はトラックマンも操作できて、データ分析もできる。元プロ選手で動画編集をできるのは僕だけじゃないですかね(笑い)」

 かつてプロの世界に足を踏み入れた男が今度は“草の根”活動から野球界の変革に挑む。(遠藤 礼)

 ◆天晴ベースボール大学 「野球人にあらゆる学びを提供する」をコンセプトに、野球技術に限らない様々なコンテンツをサロンメンバーと共有。

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