台湾プロ野球が2球場で観客動員 1球場1000人に制限し、座席間隔開けてマスク着用

[ 2020年5月9日 05:30 ]

 1球場当たり千人に制限し、観客を入れて試合が行われた台湾プロ野球=8日、台湾・新北市(ゲッティ=共同)
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 台湾プロ野球(CPBL)は8日、新型コロナウイルスの感染リスクが低下したとして、1球場当たり1000人に制限し、観客を入れた試合を2球場で開催した。富邦の本拠地、新荘球場(北部・新北市)に駆け付けたファンからは「興奮している」と喜びの声が上がった。

 球場では、観客全員に氏名申告と検温、マスクの着用を要求。指定された座席への着席を義務付け、隣の観客と大きな間隔を確保した。拍手や歓声、メガホンを打ち鳴らす音が響く中、職員らが繰り返し、観客の着席状況を確認していた。

 子供3人を連れて観戦に訪れた彭超群(ホウチョウグン)さん(40)は「特別な機会。自宅で子供たちと間隔を空けて座る練習をしてきた」と笑顔で語った。富邦の洪一中(コウイチチュウ)監督は「防疫が成功した証明であり、台湾人として光栄だ。世界各国でも防疫に成功するよう一致して頑張ろう」とエールを送った。

 CPBLは4月12日に世界のプロ野球リーグで最も早く開幕。無観客で公式戦を実施していた。球場では台湾衛生トップ、陳時中(チンジチュウ)衛生福利部長(衛生相)も観戦した。台湾の感染者は440人で、死者は6人。政府は安全な間隔を確保できる観客数を2500人とし段階的に増やしていく方針だ。

 ▽台湾プロ野球(CPBL) 正式名称は中華職業棒球大連盟。前身の中華職業棒球連盟が1989年に発足され、03年に台湾職業棒球大連盟と合併し現在の名称になった。現在は中信、統一、富邦、楽天の4球団が加盟。楽天は昨年ラミゴを買収して今季から参戦している。

 ○…現時点で日本のプロ野球は最短6月19日の開幕を目指しているが、4日に政府が6日までだった緊急事態宣言措置の実施期間を今月末まで延長したことで依然として不透明な状況が続いている。仮に開幕しても当面は無観客開催の方針で、専門家からはベンチ内でのマスク着用などの予防策が提言されており、多くの制約の中で行われる可能性が高い。

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2020年5月9日のニュース