愛媛・弓削商船高専 コロナ感染拡大で夏の地方大会辞退「3年生にとって最後の夏 残念」

[ 2020年4月26日 05:30 ]

新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)
Photo By 共同

 愛媛県高野連は25日、弓削商船高専の今夏の愛媛大会の出場辞退を24日に受理したことを明らかにした。県高野連の松浦彰浩理事長は本紙の電話取材に「3年生にとっては最後の夏。全チームそろっての開催が理想でしたが、残念です」と話した。

 同校では新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、5月6日までの臨時休校が決まっており、以降も8月末までは登校を禁止し、動画等のネット配信による遠隔授業を行うとしている。部活動も停止しており、8月末までの対外試合も全て中止とした。愛媛大会は7月7日の開幕を目指しており、県高野連は5月23日の理事会などでの協議を経て、開催可否の方向性を示す方針だ。

 夏の地方大会へ向け新型コロナウイルスの影響による出場辞退が判明したのは、全国で初めてとみられる。政府の緊急事態宣言が全国に広がったことを受け、多くの学校が部活動を停止している。今後も出場辞退を決める学校が続出する可能性もある。

 感染予防策などの検討を進めている日本高野連は、5月20日に夏の甲子園(8月10日開幕予定)の運営委員会を開き、地方大会を含めた開催可否について話し合う見込み。小倉好正事務局長は「今やれることから始めさせていただく。感染の状況を見ながら準備していく」としている。

 ▽弓削商船高専 1901年(明34)に創立。67年から高専に昇格。全国に5校ある商船系高専の一つ。商船のほか電子機械工学など4学科と専攻科があり、生徒数は646人(女子126人)。野球部は74年創部。76年夏の愛媛大会で8強入りし、準々決勝で今治西と延長18回引き分け再試合の激闘を繰り広げたことで知られる(再試合は敗戦)。5学年制のため、低学年(高校野球)と高学年(高専)の2チームがあり、低学年には部員16人が在籍。所在地は愛媛県越智郡上島町弓削下弓削1000。石田邦光校長。

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