阪神 甲子園、鳴尾浜の施設開放 15日から自主練習開始

[ 2020年4月14日 05:30 ]

15日からの自主練習開始に伴い、施設開放となる甲子園球場(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は5月7日からの全体練習再開を目指していることが13日、わかった。チームの活動再開に先立ち、15日からは西宮市内の甲子園球場や鳴尾浜球場の球団施設を開放することを発表。政府が発令した緊急事態宣言の効力がある5月6日までは自主練習とすることを球団内で確認した。選手らにはSNSを使用して通達済み。新型コロナウイルスの感染状況や社会情勢を見極めながら、本格的な活動再開へ向けた一歩を踏み出す。

 行き場を失っていた選手たちにとっては吉報だった。西宮市内の球団事務所で球団幹部と現場のフロント陣らがミーティングを実施。活動再開へ向け協議した結果、球団施設の開放を決定した。谷本球団本部長は決断に至った経緯を説明した。

 「(現場フロントは選手から)施設を使わせてほしいと要望を受けていた。ご家族を実家に帰して1人でやっている選手もいます。何とか練習環境を提供できないかと考えまして、両監督に相談して、ご賛同いただいた」

 藤浪を含む3選手の新型コロナウイルス感染を受け、3月26日からチームの活動は停止していた。基本的に選手も自宅待機で外食も禁止。自宅近辺の屋外のみで体を動かすことは許可されていたが、プロアスリートにとっては不自由な生活を強いられていた。虎風荘で生活する寮生に関してはキャッチボールも禁止。そのため、球団内ではチームの活動再開よりも、球団施設の開放を優先に議論を重ねてきた。地域アドバイザーの助言も仰ぎ、15日からは自主練習として施設提供することを決めた。

 「活動再開に向けて準備をしていただく機会を設けた。球場、室内、ブルペン、あとトレーニング場。風呂以外は使えるという形」

 自主練習は再開するが、今後も感染防止へ徹底した管理体制を敷くことも決定した。少人数での構成となるよう<1>甲子園と鳴尾浜<2>使用時間は午前と午後<3>班分けは投手と野手、とグループを細分化。その上で甲子園の使用者はABCDに振り分けた4グループ、鳴尾浜も4グループが時間差で施設を使用する。着替える場所も複数用意。集団感染の有事に備えて可能な限り同ポジションの選手同士は分散させただけでなく、食事の提供も弁当形式で対応する。

 「できるだけ分散、接触機会を減らしてやろうと思ってます。(食事は)寮生はこれまで通り非常時を継続。(練習着は)どんな格好でも良いと言ってます。ユニホームより大事なのはマスク」

 今後の状況を見極めて慎重に決定するが、活動停止後初めて5月7日から全体練習を再開する予定であることを選手にも通達した。今だ開幕の時期は白紙でも、コロナの収束を願う猛虎が少しずつ動きを取り戻す。(山本 浩之)

◇阪神の主な感染防止策◇
【球団施設内】
・検温、手洗い(15秒以上推奨)、手・指の消毒など事前体調管理の徹底 
・選手同士やスタッフは原則1.5メートル以内の接近および不要な会話は禁止 
・せきをする時はジャージーなどの袖で顔を覆う 
・食事は個包装の弁当。他者と十分な距離を取って食べること
・風呂、シャワーの利用は禁止(寮生は指定時間内のみ可)
・キャッチボールやゴロ捕球を行う場合は2メートルの間隔を空ける
・あいさつは最小限。不用意な立ち話は厳禁
・食べ物は直接手に持って口に入れない
・ウイルスに触れるリスクを抑えるため、鼻くそなどは手で取らずティッシュを使う

【球団施設外】
・家族に発熱などの症状がある場合は直ちに報告
・練習の行き帰りの外食禁止
・球団施設外のスポーツジムの利用、3密に該当する場所への立ち入りや会食禁止
・グラウンド以外の施設内のマスク着用義務(車内も) 

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