「夢のご当地オールスター・京滋編」超京力打線どすえ 千年先も語り継がれる伝説の投手 沢村栄治

[ 2020年4月14日 19:12 ]

衣笠祥雄

 京都は3人の阪神タイガースの監督経験者を輩出している。

 ダイナマイト打線の一員だった金田正泰(平安中)は11代(1960年~61年)、17代(73年~74年)の監督。牛若丸こと吉田義男(山城)は18代(75年~77年)、23代(85年~87年)、28代(97年~98年)の監督。そして野村克也(峰山)が29代(99年~01年)。間は空いているが、金田から吉田、吉田から野村へとリレーされている。

 リーグ優勝と日本一を経験したのは、言うまでもなく85年の吉田だ。バックスクリーン3連発を記録したランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布のクリーンアップを中心にライバル球団を圧倒して、頂点に上り詰めた。

 ペナントレースを抜け出し、優勝マジックが点灯しても、頑なに「我々は挑戦者」と言い続け、「一丸野球」「一蓮托生」の基本姿勢を85年のシーズンは最後まで崩さなかった。選手としても華麗な守備は今も語り継がれている。通算安打も1864本。小柄な体でプロの世界で勝負を続けた。

 今年2月、多くの野球人に衝撃を与えたのが野村の急逝だった。テスト生の扱いで南海入団。努力と研究熱心さで、レギュラーをつかみ、戦後初の3冠王に輝くなど南海の黄金時代を築いた。監督としては南海、ヤクルト、阪神、楽天で指揮を執り、ヤクルトでは4度のリーグ優勝と3度の日本一を果たした。データを重視した知将の評価は揺るがない。

 捕手・野村に遊撃・吉田、そしてセンターに阪神の現役・糸井嘉男(宮津)を配すると、日本プロ野球でも有数のセンターラインが形成される。二塁には阪急の黄金時代に活躍し、近鉄などでもプレーした職人肌の内野手・阪本敏三(平安)を起用した。
 一塁は世界の鉄人・衣笠祥雄(平安)で文句なし。2215試合連続出場、チャンスに強く、死球にも強かった。広島の第1期黄金時代に活躍し、背番号3は永久欠番。三塁は草津市出身でプロ野球滋賀県人会会長の「熱男」松田宣浩(中京)に任せよう。

 ベストナイン3度獲得の金田を左翼に。右翼には猛虎の4番も務めた桧山進次郎(平安)を持ってきた。代打の切り札としても存在感を発揮した「ヒーやん」。これで外野は猛虎色で染まった。阪神経験者がもう一人、日本ハムでも活躍した片岡篤史(PL学園)も京都人。勝負強い打撃でDHでメンバー入りだ。

 残るは投手。京都からは133勝の内海哲也(敦賀気比)、大洋で活躍した128勝の斉藤明雄(花園)、岡島秀樹(東山)や平野佳寿(鳥羽)らのメジャーリーガー、滋賀からは日本ハムのエースだった西崎幸広(瀬田工)、現役では則本昂大(八幡商)もいるが、絶対的存在が欲しい。そこで三重出身ながら、京都商(現京都学園)の伝説の投手・沢村栄治を推した。ベーブ・ルースに真っ向勝負を挑んだ沢村を野村がどうリードするか注目必至だ。

 監督は野球を愛するスーパージョッキーに依頼した。京都生まれで栗東育ちの武豊。幾多の修羅場を戦った男なら、任せて安心だ。
                           (鈴木 光)

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