ソフトB育成・砂川 王会長に予告場外弾「見といてください!」狙って130メートル

[ 2020年2月2日 05:30 ]

宮崎キャンプ ( 2020年2月1日 )

フリー打撃を終え雄叫びを上げる砂川(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクは1日、宮崎市の生目の杜運動公園でキャンプインした。育成3年目で初のA組スタートの砂川リチャード内野手(20)がフリー打撃で2本の場外弾を含む10本の柵越え。午前中の12分間走では距離ノルマを達成できずB組降格危機に見舞われたが、その日のうちにバットで汚名返上。王貞治球団会長(79)の前で若き右の大砲候補がいきなりアピールに成功した。

 一塁側ケージでのフリー打撃で最後の47スイング目。規格外ボディーから放たれた打球は両翼100メートルのアイビースタジアムの左翼芝最上段の壁を越え、広葉樹林の中へと消えた。「世界の王」への予告場外弾だった。

 「王会長がいらっしゃったので“見といてください!”と自分で言って、最後の一球は狙って(本塁打を)打てました。アピールポイントを見せられて、本当に良かったです」

 47スイングで、場外弾2本を含む柵越え10本。持ち味であるパワーを見せつけた。

 球場内で背番号「127」を見守った王会長も高評価。「飛ばすものを持っている。(初のA組で)プレッシャーを感じていたんじゃないかな。背番号、2桁にしたいよね。そのために示していかないと。楽しみが増えたね」と笑った。

 この日、アルバイトとして“砂川球”を追った宮崎産経大の軟式野球部2年、渡辺凌大さんも打球に驚いた。「どんどん、近づいてくるにつれて距離が伸びる。柳田選手の打球とも違う。場外はたぶん130メートルは超えています」と、大忙しで場外球を探しだした。

 午前中に1周300メートルのコースで行われた12分間走。1周目から飛ばし距離を稼ごうとし2周目に足が止まった。ノルマに設定された2850メートルに全く届かない2400メートル。キャンプ前には森ヘッドコーチが「リチャードは(ノルマを)切れなかったらB組に行かせる」と示唆していた。いきなりの降格危機。開き直った。

 「7周ちょっとしか走れなかった。まさに空回り中の空回り。でもあれで、緊張が解けたから打てたかも」

 足で飛ばし過ぎて失敗しても、バットなら飛ばし過ぎはOK。土俵際から盛り返した“リチャード劇場”は、今日が初日だ。立花打撃コーチの密着指導を受けながら居残り特打も敢行し、2日目以降も支配下登録へアピールを続ける。

 ◆砂川 リチャード(すながわ・りちゃーど) 1999年(平11)6月18日生まれ、沖縄県出身の20歳。沖縄尚学では高校通算25本塁打。甲子園出場なし。2017年育成ドラフト3位でソフトバンクに入団。昨季は3軍戦でチーム最多の94試合に出場し、打率・279、11本塁打、54打点。ウエスタン・リーグでは8試合で打率・077。1メートル89、115キロ。右投げ右打ち。

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