【新井貴浩の目】西武・山川、アーチ量産の秘けつ フィギュアスケーターのような回転運動

[ 2019年6月26日 10:30 ]

今季も本塁打を量産している西武・山川(撮影・久冨木 修)
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 打撃は基本的に回転運動だ。回転運動は力が外へ外へと逃げていく。山川は体の近くでバットを通して回転半径を小さくすることで力を内側に閉じ込め、スイングスピードが速くなり、最後の瞬間に爆発的にボールに伝えることができる。フィギュアスケートの選手が、ジャンプする時に腕を畳んで回るのと同じ原理だ。

 現役の頃から「似たようなイメージでスイングしているのでは?」と思っていた。構えの時にヘッドが投手側へ入る共通点があったからだ。そこから剣道の突きのようなイメージでバットを出していた。今春キャンプで話を聞いたら「全く同じ」と言っていた。もちろん、実際の動きは違う。体の近くで振るための意識付けだ。

 体勢が崩れたように見えても打球が飛ぶのも特長だ。バットが遠回りしていないから対応できる“幅”があり、むしろ少しタイミングを外されながら合わせた時の方がヘッドが走る。大柄な体形なのに逆立ちして歩けると本人から聞いた。体の強さに加え、天性のバランスの良さも、あのフルスイングの源だ。(スポニチ本紙評論家)

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2019年6月26日のニュース