習志野、千葉県勢悲願へあと2 「サイン盗み疑惑」動じず

[ 2019年4月1日 05:30 ]

第91回選抜高校野球大会第9日第1試合 準々決勝   習志野4―3市和歌山 ( 2019年3月31日    甲子園 )

<市和歌山・習志野> 2番手で登板した飯塚 (撮影・後藤 大輝)  
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 左膝痛をこらえ、習志野のエース飯塚はマウンドを守り抜いた。2回から登板し6回には自ら中前同点打も8回1死、打球が左膝内側を直撃。治療のため一度ベンチへ戻るも交代など考えなかった。

 「残りも短かったし、気持ちでねじ伏せよう」。9回1死から連続三振を奪った。自己最速146キロの直球を武器に、1回戦から3試合連続で救援して計17回無失点の快投だ。

 打線も劣勢をはね返した。星稜戦の死球から右足関節打撲で欠場した根本に代わり初の3番に座った2年・角田が初回、5回にタイムリー。「根本さんから“チャンスで回ってくる”と言われたけどその通りでした」。初回の挟殺プレーでは走者と交錯し鼻血を出したが、7回にも中前打で決勝点を演出した。

 28日の星稜戦後に、星稜からサイン盗みを指摘された。審判団は不正行為は確認できなかったとしたが、「やっていない」とどれだけ否定しても、疑惑が晴れるものではない。できることは全力で試合に臨むことだけ。ナインは動揺せず通常練習を貫き、会心の逆転劇につなげた。

 小林徹監督は「試合でも臆することなくやってくれた。大事なことは許容だと言っている。状況を受け入れようと」と話した。ナインも思いは一つ。「自分たちは何もしていない。チームの雰囲気が変わることはありません」と飯塚が話せば、竹縄主将も「イライラせず試合に切り替えることができたから勝てた。勝ち進まなければ取り上げられることもなかった」と話した。

 夏は2度の全国優勝経験を持つが、センバツでは初の4強進出。千葉県勢悲願の春優勝へあと2つ。結束は確実に強まっている。(伊藤 幸男) 

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