ソフトＢ甲斐、今季初の「キャノン」披露　盗塁２度阻止も「まだまだ」

練習試合   ソフトバンク１―２楽天 （ 2019年2月26日    アイビー ）

初回２死一塁、打者・島内（左）の時に二盗を狙った一走・西巻を刺す甲斐（撮影・岡田　丈靖）
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　ソフトバンク・甲斐拓也捕手（２６）が２６日、「球春みやざきベースボールゲームズ」の楽天戦に「９番・捕手」でスタメン出場。二盗を２度、阻止し今季初の対外試合で「甲斐キャノン」を披露した。昨季リーグトップの盗塁阻止率・４４７を誇った強肩は、今季もチームの大きな力になりそうだ。

　見せ場は初回にやってきた。２死一塁。打者・島内の５球目、甲斐はスアレスの内角直球を捕球したと同時に素早く右手にボールを握り替え、二塁ベースに向け矢のような送球。一塁走者の西巻を楽々アウトにした。

　４回無死一塁では高めに抜けた変化球を捕球後、無理な体勢から再び橋本の二盗を阻止。対外試合初戦から２度の「甲斐キャノン」をさく裂させた。それでも、甲斐の表情はさえない。「結果的にアウトになったけど、２つとも納得のできる球ではない。１つ目は球が弱かったですし、２つ目はベースの左に行ってしまった。まだまだです」。高いレベルを求めるからこそ、結果オーライでは済まさなかった。

　昨季は広島との日本シリーズで６度の盗塁を阻止し、ＭＶＰを獲得。強肩がスポットを浴びた。今季は相手の警戒度は上がるが、練習試合とはいえ、同一リーグの足を封じた効果は大きい。吉鶴バッテリーコーチは「気持ちの持ち方とかプレーに対して余裕が出てきたのかな。自覚が去年よりも出てきた」と話し、工藤監督も「この時期は積極的に走ってくるのでキャッチャーとしてはいい練習になる。自信にしてくれれば」と目を細めた。

　試合後はトレーニングルームにこもり、最終バスでホテルに引き揚げた。工藤監督からは体の切れを上げることをテーマに課されており「ウエートだけではなく、走ることを入れたりして切れを出したい。去年と一緒ではダメ。上を目指していきたい」と引き締めた。

　２月のキャンプではベテラン・高谷に加え、若手の谷川原、栗原らとともに切磋琢磨（せっさたくま）してきた。「ポジションは一つしかない。自分がやる気持ちでやっている」と甲斐。慢心することなく、開幕に向かう。