広島　坂倉“３番テスト”に応えた　東出コーチ「今後もあります」

練習試合   広島５―９日本ハム （ 2019年2月23日    コザしんきん ）

４回無死二塁、坂倉が右前打を放つ（撮影・篠原岳夫）
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　広島は２３日、日本ハムとの練習試合（コザしんきん）で、坂倉将吾捕手（２０）が今春初の「３番・左翼」で先発して１安打を放ち、抜てきされた“３番テスト”に応えた。昨秋から本格挑戦する外野守備の出来も上々。きょう２４日のＤｅＮＡとのオープン戦開幕戦（宜野湾）も３番での先発が濃厚だ。

　“３番テスト”の初陣に抜てきされたのは、３年目の坂倉だった。今春初となる「３番・左翼」。練習試合といっても大役に変わりない打順を、堂々とこなした。

　初回の１死一塁では遊ゴロに凡退して迎えた２打席目。無死一塁で、２番手・バーベイトの初球を一塁走者・曽根が二盗して、得点圏に走者が進んだ。「強く引っ張れるところを待っていた」。２ボールから１４１キロの内角の直球を狙い通りに右前に運び、一、三塁とする“３番の仕事”を完遂。続く鈴木が中前適時打を放って、先制点につながった。この日の４打席で安打はこの１本だけでも、好印象を残すには十分だった。

　「（２打席目は）いい感じで強く振れた。（安打は）１本だけだし、もったいない打席もあった。与えられたところでアピールするだけなので、（３番に）特別な感じはあまりなかった」

　丸の抜けた３番を誰に託すかは、今春最大のテーマといえる。前日２２日には東出打撃コーチが、この試合から本格的に３番争いを開始させることを予告。その“初戦”に指名した坂倉について同コーチは、「打っても打たなくても入り方がいい。（３番は）作っていかないといけない。今後も（坂倉の３番は）あります」と「３番・坂倉」を評価した。

　本職は捕手。１軍に君臨する会沢、石原という強敵にはかなわず、高卒２年目を終えてプロ通算は２安打にとどまる。非凡な打力を生かそうと、昨秋から外野手に本格挑戦を命じられた。「状況とか深く考えられていないので、来た打球に対して必死でやろうと思っています」。９回の守備では、郡の左中間へのライナー性の打球を何とかグラブに当てながらもつかむことはできず、あと一歩で好捕を逃した。広瀬外野守備走塁コーチは「以前の坂倉なら届いていない。あとは経験と場数」と成長を認めている。

　きょう２４日のＤｅＮＡとのオープン戦開幕戦も３番での先発が濃厚。「試合に出たい。そのためにアピールできるところでやりたいです」。３番抜てきは期待の証。非凡な才能が開花するときは近い。（河合　洋介）