雄星 初陣は26日レッズとのOP戦 「ライブBP」で手応え 強打者相手に「差し込めている」

[ 2019年2月21日 02:30 ]

ブルペンでイチロー(左)に見つめられながら投球練習する菊池(撮影・会津 智海)
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 マリナーズの菊池雄星投手(27)が19日(日本時間20日)、初めて「ライブBP」と呼ばれる実戦形式の打撃投手を務めた。レギュラークラスを含む4選手に対し、30球を投げ安打性2本。最速92マイル(約148キロ)の直球に威力があった。22日(同23日)に2度目のライブBPを行い、実戦初戦は25日(同26日)のオープン戦・レッズ戦で先発することが内定した。

 右足を2度上下させる菊池独特の投球フォームから剛球が次々とうなりを上げた。今キャンプ初めて打者相手に登板。17年にブルワーズで30本塁打した外野手サンタナは打席でその威力を目にし「直球が浮かび上がり、フォームもタイミングが取りにくい。同じチームで良かったよ」と手放しで称えた。

(安打性/2本!!/) 右打者4人が計10スイングし、直球は3度空振り。3本のファウルはいずれも力なく右方向に飛んだ。3番目に対戦したサンタナからはクイックモーションも試した。注目されたイチローとの対戦はお預けとなったが、全30球のうち安打性は2本。上々の滑り出しに菊池は「直球は空振りも何回か取れていた。差し込めているボールも何回かあった。精度を高めていけばいいものになっていく」と手応え十分だった。

 アリゾナ特有の乾燥気候。ただでさえ滑りやすいとされるメジャー球が手になじまず、勝負球のスライダーに苦心したが、日本左腕最速158キロを誇る菊池本来の原点に立ち返った。「直球を一番、確認したかったので、変化球のサインが出たときは何回か首を振って投げた」。チームスタッフによると直球は最速92マイルだったが、正遊撃手候補のベッカムは「94、95マイル(約151〜約153キロ)は出ていたんじゃない?」と球速以上の球威に舌を巻いた。

 スコット・サービス監督は菊池の調整について「打撃練習での登板が2度になる」と、22日のライブBPに再登板すると公表。実戦デビューはオープン戦5戦目となる25日のレッズ戦。実戦初登板で初先発する見通しとなった。

 「最初にしては悪くはない。直球が思いのほか良いボールがいっていたというところで、自然とスライダーも直球と一緒に(状態が)上がっていくのかなと思う」。イチローに「日本で一番いい左投手」と評された東北生まれの剛腕が少しずつ精度を高めていく。 (柳原 直之)

 ○… マリナーズの招待選手のイチローは、菊池とは別の組で3日連続となるライブBPの打席に入り、対決は実現せず。しかし、2日前に「(打席で)見たいな、ブルペンも見たい。日本で一番いい左投手だからね」と話していた通り、菊池の登板前のブルペン投球を真後ろから見守った。練習後に報道陣からその様子を聞かれた菊池は「そうなんですか?マジっすか?教えてくださいよ。本当ですか。全然、知らなかったです」と目を丸くした。

 背番号51はフリー打撃では28スイング中、8本の柵越え。中堅左への特大弾を含む4連発を放つなど、順調な調整ぶりをうかがわせた。 (笹田幸嗣通信員)

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2019年2月21日のニュース