大谷 特例ポスティングOKの理由「市場の目玉」、Xマス前に移籍先決定

[ 2017年11月23日 06:30 ]

生徒にサインボールをプレゼントする大谷。後方は北海道月形町のマスコットキャラクター、ベルデくん
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 日本野球機構(NPB)と大リーグ機構(MLB)の間でポスティングシステムの改定協議が22日、合意に達し、日本ハム・大谷翔平投手(23)のメジャー移籍へ環境が整った。今オフは旧制度が適用されるが、大谷には(1)発効即日の米国時間12月1日(日本時間2日)に申請、(2)交渉期間を30日間から21日間に短縮、(3)申請前に文書で「プレゼン」OK、という特例が設けられた。交渉期間は米国時間12月22日(同23日)まで。クリスマス前に移籍先が決定する。

 合意期限は残り数時間。この日朝、NPB側にMLB側から連絡が届いた。申請日は要望通り12月1日になるが交渉期間は短縮――。大リーグ選手会が譲らなかった。カウンターとして、NPB側は文書のプレゼンテーションを要求。これが通り、ぎりぎりの調整の末に大谷のメジャーへの道が開けた。

 今オフに適用される旧制度に、大谷の存在が特例を設けさせた。米選手会が訴えていたのは申請・交渉期間の短縮。FA市場の大物から順に移籍先が決まるため、大谷は他の選手への影響が大きい。千葉・鎌ケ谷で取材に応じた日本ハムの島田利正球団代表は「本来、大谷の都合に合わせたかったが“なるべく早くしてほしい。市場が動かない”と言われている」と話した。

 そこで、発効即日のピンポイント申請と交渉期間の21日間への短縮が決まった。12月1日(日本時間2日)のMLBのオーナーによる電話投票での正式承認を受け、日本ハムが申請。米30球団へ通知後、2日(同3日)から22日(同23日)までが交渉期間となり、米国のクリスマス休暇を前に移籍先が決まる。

 NPBの井原敦事務局長は、合意について「(お互いが)歩み寄った結果」と話した。最後の最後で得た「申請前プレゼン」を受ける権利は大谷にとって重要だ。契約交渉はできないが、住環境や二刀流の受け入れ態勢などを確認できる。プレゼンは既に解禁され、事実上、争奪戦のゴングは既に鳴っている。

 新制度でメジャー契約の対象になるNPB選手は25歳以上で、米球界のFA権取得の基準である在籍6年以上とされた。23歳の若さに加え、その才能と二刀流の魅力ゆえに、旧制度にも新制度にも収まらない1年限りの特例で海を渡る。「Ohtani」というビッグなクリスマスプレゼントを、どの球団が手にするのか。

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