関学大・甲斐 11回2失点完投でリーグ戦初勝利 卒業後は消防士の道も

[ 2017年9月11日 07:52 ]

関西学生野球秋季リーグ戦第2節2回戦   関学大3―2近大 ( 2017年9月10日    皇子山 )

<関学大・近大>11回を2失点で完投し、リーグ戦初勝利を飾った関学大・甲斐
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 関学大は3―2で近大に連勝して勝ち点1を挙げた。甲斐貴規投手(4年)が11回2失点で完投しリーグ戦初勝利を飾った。京大は1―2で関大に惜敗。82年秋以来となる関大からの勝ち点獲得は、10日の第3戦に持ち越しとなった。

 関学大の甲斐が、11回2失点でリーグ戦初勝利を挙げた。157球で完投も、歓喜の瞬間はマウンドではなかった。11回裏に3安打で1点差に迫られ、なおも2死二塁。佐藤の右安打で同点を覚悟したが、守備固めで入っていた二角の好返球で本塁タッチアウト。ベースカバーのため本塁後方で試合終了を見届けた右腕は「最後は春季王者の近大さんの意地に負けてしまった」と苦笑いした。

 入学後は故障続きで登板できず、昨秋には腰椎分離症とヘルニアで半年間の運動禁止。走ることもできない中、再発防止のため体幹と腰回りを鍛え、アーム式に近い投球フォームを見直すため楽天の則本や岸ら「きれいな投げ方の投手」の動画を参考にするなど有効に時間を使った。

 今春にようやくリーグ戦初登板を果たすと、救援6試合で8回2/3を無失点。先発転向を見すえて今季に備えた。オープン戦では4試合に登板し、失点は慶大戦の2点のみ。「普通に投げれば(点を)取られないと思っていた」。自信を胸に初先発に臨んだ。木内祥晴監督は「変化球に磨きをかけてきた成果が出た。(11回は)同点になっていても、代えるつもりはなかった」と称えた。

 卒業後の進路は未定ながら、消防士になることも視野に入れているという。

 「本当は後ろ(リリーフ)の方が好きなんですけどね。きょうは自分が炎上しかけてしまったんで…」

 春は“火消し役”を務めただけに自虐的に話したが、念願の初勝利に最後まで笑顔が絶えなかった。

 ≪関大2―1京大≫来秋ドラフト候補の関大・山本が無四球完投で今季初勝利を挙げた。「調子はあまりよくないが、相手の反応を見ながら投げられた」。9安打されたが、要所を締めて1失点でまとめた。早瀬万豊監督は右腕を称える一方「昨日と同じでバットが振れていない」と浮かない表情。2日連続で2得点に終わった野手陣に奮起を求めた。

 ≪京大1―2関大≫京大は連勝で勝ち点を挙げれば00年秋の立命大戦以来だったが、あと一歩及ばなかった。9日の1回戦は藤原が2失点で完投勝利。青木孝守監督は「8回を完投した大山が戻ってきて、藤原と2人が計算できるのが大きい」と敗戦にも手応えを強調した。関大戦の勝ち点について話題を向けられると「35年ぶりらしいですね?明日が楽しみです」と不敵に笑った。

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2017年9月11日のニュース