巨人・田口「100点」完封で菅野超えリーグトップ防御率1.60

[ 2017年5月22日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人4―0DeNA ( 2017年5月21日    横浜 )

<D・巨>完封勝利にガッポーズする田口。右は中井
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 巨人の田口麗斗投手(21)が21日、DeNA戦に先発し、4勝目を今季初完封で飾った。完封は昨季に続く自身2度目で、四死球なしは初めて。散発6安打に抑え、負ければ今季初の借金生活に転落するチームの危機を救い、4カードぶりの勝ち越しに導いた。この日で規定投球回に到達。防御率1・60は、同僚でエースの菅野智之投手(27)を抜いて、リーグトップに浮上した。

 最後の力を振り絞った。9回2死一、二塁。田口は外角低めの直球で宮崎を二ゴロに打ち取り、116球を投げ抜いた左手でガッツポーズした。

 「100点でいいんじゃないかなと思います。バランス良く投げることができた」。今年1月に結婚した2歳下の芽衣夫人(19)が横浜スタジアムに応援に駆けつける中でのヒーローインタビューで「いい報告ができます」とはにかんだ。

 成長を証明した。課題は四球。今季はここまで21四死球(1死球)で、4月29日のヤクルト戦(神宮)では6回無失点ながら8四死球を与えた。「四球は12球団でも多い方。最初から厳しくというより、早いカウントから勝負することを意識した」。6回1死一、三塁では、前の打席で二塁打された梶谷に1ボール1ストライクから外角低めの直球で勝負を挑み、遊ゴロ併殺でピンチを切り抜けた。低めを突いて打たせて取り、2併殺を含む18個のアウトをゴロで奪った。自身初の四死球なしの完封劇。チームでただ一人2桁勝利を挙げた昨季はイニング途中で救援を仰ぐことが多かったが、今季は一度もない。高橋監督は「イニングを投げきるところが成長している」と目を細めた。

 登板の間も常にフォームを微調整している。「投げるたびにフォームが変わる。“これだ”というフォームで固まるのがいいんだけど、田口は器用だからできちゃう」と村田バッテリーコーチ。その言葉通りに幼少時からマネることが得意で、田口は「小学生の頃は岩隈さんのマネばかりやっていた」と振り返る。巨人の全投手の投げ方もマネができ、フォームに役立てている。「足を上げるタイミング、投げるリズム、いろいろと試すのは若い時しかできない。上を目指したいので」。常に理想を追い求める貪欲さが成長の源だ。

 5回を投げ終えた時点で規定投球回に到達。防御率は1・60まで上昇し、エース菅野を抜いてリーグトップに躍り出た。「右の菅野と左の田口」で先発陣をけん引し「柱として投げてくれている」と高橋監督。その田口は「菅野さんのような能力はないけど、チームの信頼を勝ち取る存在になりたい」と力強く誓った。 (重光 晋太郎)

 ≪ピンチ広げない投球≫田口(巨)が16年8月3日の中日戦以来2度目の完封勝利。防御率を1.60とし菅野(巨=1.78)を抜いてトップに浮上した。今季、田口、菅野ともに7試合に登板、完封数(田口=1、菅野=3)、被安打率(田口=.213、菅野=.199)は菅野に劣っているが、得点圏での被安打率は田口.143、菅野.146、さらに走者を背負った場面での被安打率も菅野.194、田口.176と、田口の方が良く、ピンチを広げない投球を見せている。

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