1万2000観衆大歓声!早実・清宮 94号&9回同点打&タイブレーク打

[ 2017年5月22日 05:30 ]

第69回春季高校野球関東大会・2回戦   早実10―9花咲徳栄 ( 2017年5月21日    ひたちなか市民 )

<早実・花咲徳栄>5回1死、右越えにソロを放ち、ベンチの祝福を受ける早実・清宮
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 今秋ドラフトの目玉の清宮幸太郎内野手(3年)を擁する早実は21日、第69回春季高校野球関東大会2回戦の花咲徳栄(埼玉2位)戦でタイブレーク方式の延長10回の末、10―9で逆転サヨナラ勝ちした。清宮は5回に高校通算歴代3位タイの94号。9回に同点打、10回にも適時打を放つなど、4安打3打点で劇的勝利を呼んだ。22日の準々決勝は昨夏甲子園優勝の作新学院(栃木2位)と対戦する。

 10回無死一、二塁から始まる初体験のタイブレークで逆転サヨナラ勝ち。清宮は右手を突き上げ、ヒーローの野村に駆け寄った。劇的勝利でひたちなか市民球場史上最多の1万2000人観衆を沸かせ「みんなで粘り勝ってきた野球が出せた。久しぶりに地方の球場でたくさん入った中で野球ができた。温かい声が最後は自分たちの力になった」と感謝した。

 今春の東京大会決勝でも日大三から2度の4点ビハインドをはね返して18―17で勝利するなど、数々の逆転劇を演じてきた。その中心となってきた清宮がまたしても勝負強さを見せた。1点を追う9回2死二、三塁から右腕・清水の146キロ直球を三遊間へ運び、起死回生の同点打。10回のタイブレークでは2点を追う無死満塁で打席が回った。試合前日のミーティング。ナインの前で主将は「自分まで回せば絶対に打つ」と宣言していた。フォークを軽打して1点差に迫る右前打。野村のサヨナラ打につなげ「これで凡退したら見せる顔がない」と笑った。

 技ありの軽打2本だけでなく、持ち味の豪快なスイングも健在だった。5―4の5回に外角低めの直球を巻き込むように右翼へ弾丸ライナーの通算94号。高い放物線が多い主砲が「低めを引っ掛けると飛ぶけど(低い弾道は)珍しい。入っちゃった」と驚くライナー性の一発だった。日本ハムの大渕隆スカウト部長は「プロでも見たことがない当たり。普通はファウルになるところをあそこ(ポール際)に持っていったのは技術を感じる」と絶賛した。

 「こういう展開ばかり。負けていても諦める感じは全くない」と言い切る。球場入りの際には「渋滞でなかなかたどり着かなかった」と自らもフィーバーに巻き込まれたが、4安打3打点の活躍。勝負強い打線を頼もしい主砲が支える。 (東尾 洋樹)

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