小久保監督「準決勝がまず全て」菅野から千賀→総力結集リレー

[ 2017年3月17日 05:33 ]

羽田空港から渡米する(右から)菅野、秋吉ら侍ジャパンのメンバー
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 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一奪還を目指す侍ジャパンは16日、羽田空港発のチャーター機で渡米した。アリゾナ州で2試合の練習試合をこなし、米国時間21日(日本時間22日)にカリフォルニア州ロサンゼルスのドジャースタジアムで準決勝に挑む。小久保裕紀監督(45)は準決勝に総力を傾けることを宣言。先発にエース菅野智之投手(27=巨人)を立て、今大会絶好調の千賀滉大投手(24=ソフトバンク)もつぎ込んで勝利を手繰り寄せる。

 報道陣の問いかけに右手を軽く掲げた小久保監督らメンバーは、決戦の舞台となる米国へ向け機内へと乗り込んだ。6連勝で準決勝進出を決めたが、ここからが本当の勝負になる。ナインの表情は自然と引き締まった。

 「向こうに行きますが、日本のファンが応援してくれているということを心に刻みながらグラウンドに立ちたい。準決勝がまず全てだと思っているので、全ての策を練ろうと思います」

 総力結集の準決勝。ドジャースタジアムの先発マウンドに立つのは菅野だ。1次、2次ラウンドともに第2戦に投入されたが、14日のキューバ戦では4回7安打4失点と役割を果たせなかった。球数制限は準決勝から95球に増える。しかも準決勝、決勝は連戦となるため、先陣を切る菅野の出来が世界一への継投プランに大きな影響を及ぼす。日本のエースは「頑張ります。やれることをしっかりやって、悔いが残らないようにやりたい。やってきたことを継続してやるだけ。切り替えるも何もない」と話した。

 菅野だけではない。権藤投手コーチは「救援陣は、決勝で先発させる選手以外は準決勝で全員行かせるつもりでやる」と話した。決勝の先発が予想される石川以外は、コンディション優先でつぎ込む。15日のイスラエル戦に先発して5回1安打無失点と好投、今大会9回無失点の千賀も惜しみなく投入する。「継投で逃げ切れるという選手が見つかった」と指揮官の信頼が厚い、平野、宮西、松井裕、牧田らも全員スタンバイ。決勝への連投ができなくなる30球を超えない球数で、人数をかけてバトンをつなぐ。

 現在、準決勝進出を目指す別ブロックの4カ国はメジャーリーガーをずらりとそろえる。個の力ではなく、束になって戦うしかない。

 「出てくる国はみんな顔と名前が一致するような、全員バリバリのメジャーリーガーたち。名前負けしないこと、球場の雰囲気にのみ込まれないことが非常に大切になってくる。より強い結束力を持っていかないといけない」

 13年の第3回大会、そして自ら指揮を執った15年11月のプレミア12はともに準決勝で敗れた。その壁を突き破った先に世界一奪還がある。 (倉橋 憲史)

 ▽決勝ラウンドの球数制限 2次ラウンドより15球増えて95球。到達時の打者とは対戦完了まで投球できる。30球以上投げると連投不可なのは1、2次ラウンドと同じだが、投手陣のコンディションを守るという導入目的にのっとり、日本時間21日に準決勝を戦うチームも同22日登場のチームと同じく、30球を超えると決勝に登板できない。

 ≪日本過去最多の1試合6.2人起用≫侍ジャパンは今大会、6試合で延べ37投手を起用。1試合あたりに換算すると6・2人となり、06年の4・2人、09年の5人、13年の5・7人と比べて最も多く起用されている。ちなみに現在残っている6チームのうち最も1試合あたりの起用数が多いのは、ドミニカ共和国の6・5人(4試合で26投手)。

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