侍J青木 心構え説く メジャー選手にビビるな「のんでかかれ」

[ 2017年3月17日 05:30 ]

真剣な表情で記者の質問を聞く青木
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 ネービーのチームスーツに身を包んだ侍ジャパン・青木に、笑顔はなかった。決戦の地への出発。左胸にのぞいていた、白地にストライプのポケットチーフのように、真っさらな心に侍の志を持て――。青木が口にした勝利への心構えだった。

 「相手はメジャーリーガーだけど、こっちがのんでかかるくらいじゃないと。相手はむしろそういう気持ちで来る。今まで通りだけど、よりぶれない心が大切だと思う」

 激闘の6試合を勝ち抜いた翌日。慌ただしく、夜に米国へ飛び立った。「移動も含め休みも少しあるので、そこでしっかりコンディションを整えてあと2戦に備えたい」。侍ジャパン唯一のメジャーリーガーは、アストロズキャンプで調整していた2月末以来、約2週間ぶりに米国に戻る。決勝ラウンドでぶつかる各国は多数のメジャー選手が在籍するだけに、ナインへの情報伝達という役目も担うが、チームに一番伝えたかったのは「勝利への心構え」だった。

 過去に出場した06年、09年でイチローらメジャー選手がプレーで引っ張ったように。「先輩たちがやってきたことは間違いない。それは間違いなく日本の野球界のいい伝統になると願っている。今回、自分もこういう立ち位置で参加させてもらって、その辺は伝えていきたいことの一つ」。目の当たりにするスター選手に気後れせず、相手をのみ込んで戦う心の強さの必要性を説いた。

 ここまでレギュラーでは最低の打率・200。だが「東京ドームよりはホームグラウンド」という米国では、青木の爆発なしでは勝ち抜けない。09年の第2回大会決勝の韓国戦で決勝打を放ったイチローのように、米国で輝きを放つ姿をチームもファンも求めている。

 得点を呼ぶ円陣での声出しなど、ここまでの存在感の大きさは言うまでもない。「また違った戦い方になると思う。本当に勝つか負けるか。一発にかけて準備したい」。メジャーでの5年間で培った技術と魂を、米国で見せつける。 (春川 英樹)

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