イチロー2戦連続マルチもサヨナラ負け…マーリンズ大失速

[ 2016年9月6日 05:30 ]

9回、インディアンス・チゼンホールの右翼への打球は滑り込んだイチローのグラブの先を抜け、マーリンズのサヨナラ負けとなる

インターリーグ  マーリンズ5―6インディアンス

(9月4日 クリーブランド)
 マーリンズのイチロー外野手(42)が、4日(日本時間5日)のインディアンス戦に「1番・右翼」で先発出場。2試合連続マルチ安打で、9回には一時勝ち越しとなる適時打を放ったが、チームはサヨナラ負けで4月28日以来の借金生活に突入した。メジャー通算3000安打達成後、チームは9勝17敗の大失速。ワイルドカードゲーム進出圏内に4ゲーム差と厳しい状況に追い込まれた。

 勝ちたい。その気持ちが表れた。3―3の9回無死二塁。イチローは過去9打数1安打、打率・111のミラーとの対戦で送りバントのサインが出るも、ファウル、見逃しで追い込まれた。「打て」に切り替わると、4球連続ファウルで粘り、7球目を右翼線へ運んで走者を本塁に還した。

 その裏に同点とされ、なおも2死一、二塁。右翼守備で「後ろを越されたら仕方ない」と定位置より約3メートル前に出たが、チゼンホールの打球は右翼線へのサヨナラ打となった。捕れないと分かっていてもスライディングキャッチを試みた。

 気迫のこもった一時勝ち越しの適時二塁打。2試合連続マルチ安打は実に6月29日以来だった。「気持ちで打てるわけじゃないですからね。それなりのレベルだったら、そりゃ技術で打たないと。気持ちで打ったことなんて一度もないです」と淡々と話したが、不振のゴードンに代わる1番に起用された42歳の意地が見えた。

 イチローの通算3000安打達成が8月7日。翌8日以降、チームは9勝17敗で、7月31日時点の最大貯金9からついに借金生活に転じた。野手はスタントン、オズナ、先発陣もコンリー、チェンと故障者が続出。この日も炎上したロドニーとラモスの抑えコンビは、いずれも最近15試合の防御率が5点台以上と勝ちパターンに持ち込めない。「まあ、ご覧の通りですけど」。悔しさを押し殺すように言ったが、表情は、まだ03年以来13年ぶりのポストシーズン進出を諦めていなかった。

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